6/27 古民家再生日誌 19 | 住まいと暮らしとお陽さまと

住まいと暮らしとお陽さまと

日々の暮らしに朝陽のようなすがすがしさ、夕日のような温かさを感じる住まいを作りたい。
建築士として日々思い、感じることを綴ります。

伊那市高遠町の茅葺き古民家の再生を

2024年6月7日よりスタートしました。

古民家を残したい、古民家で暮らしたい

そんなかたの参考に……

そして、こんなときもあったなぁと

振り替えるための日誌です。

 
6月27 晴れ時々曇り
朝8時だと長袖Tシャツの上から
ウィンドブレーカーを来てちょうどの肌寒さ。

よーし、今日も恒例の畳の分解!
と朝イチから始めた。

はがしたムシロを家の前の畑に敷きに行った。
そこへ一台の軽トラが来て止まる。

アレには線いっぱい入ってるで!
(関西弁ではなかったけど……)

と、運転していたおじさまが
声をかけて下さる。

アレ、とは駐車スペースに並べた
畳表や畳トコのこと。

古い畳やから麻糸と綿の糸やから、
大丈夫やとおもうわ、ありがとう!

それやったらええんや。それで、
いつ、開店するんや?

今年は無理かなぁ。
また、教えてくださいねー!

と、別れた後に…………

たぶんこれは綿糸やな。と、
希望的判断をしていた色のついた糸のことが
気になった。

やっぱり、電話してみるかぁ!
と、会社の同期で、今は京都で畳屋さんを
している友達に電話をする。

久しぶりー!
耳に入ってると思うけど、
ワタシ、会社辞めてんやんかぁ。
ほんで、今長野で畳の解体やってねんけど、
藁トコの糸のこと教えてくれる?


ってな感じで聞いてみた。

昭和49年の新聞挟まってるんやけど……

その時に新調しやはったんかどうかやけど、
親父の時にはもう化繊の糸、
つこてたからなぁ。
火ぃつけて燃え方と匂いで判断したら。

ほな、やってみるわぁ。おおきに。

ということで……
畳から数本の糸を外して火をつけた。


このオレンジの糸が怪しい

やっぱりなぁぁぁぁぁ。
怪しいと思てたの、おうてたわ……
タラー

色のついた糸は、
クニクニと溶けて丸くなった。

はい!
駐車スペースに並べた藁トコから糸を回収~!
えーん

糸を引き抜くのに役立ったのがペンチ。
先日、京都の自宅に戻ったときに、
工具箱一式持ってきたンよね。

先見の明がある!
ペンチを持ってきたなんて!

おじさま、声かけてくれてありがとう。
まだまだ分解する畳あるねん。
今で良かったぁ!

と、怪しいけどスルーしてしまったことを
棚に上げつつ……
今日はこの作業に終始した。





抜き取った糸。
抜き取り切れなかったかもなぁ、地球よごめんなさい。


この作業でもうひとつわかったことが……

畳表(いぐさをあんだもの)は、
縦糸に麻糸か綿糸を使ってるから、
畑に敷いておけば自然に還る。

ところが、
分解しやすいなぁと喜んでい畳表の縦糸は
麻糸と化繊と綿の混合糸だった!

なんか見た目が怪しい!と思って
綿糸らしきものに火をつけたら、
アレヨアレヨというまに溶けたのだ。

畑に敷いた畳表は撤去。
燃えるごみで出すには50センチ角に
切らないといけない。

糸を抜けば畑に戻せるやん!糸だけ燃えるごみに出します!

自然素材やからという思い込み、
怖いなぁ~。

畳を作ったり、表替えをするときに
畳表のランクや価格は確認するけど、
縦糸の種類は確認しないもん……

これからは確認しないとね!


軍手はめてペンチを使ってたんやけど、
こうなりました……


痛いなぁとは思てたけど案の定、水ぶくれになってた

日焼け、虫刺され、傷、筋肉のこわばり……
まぁ、想定内ですな。
爆笑

畳の作業をしつつ、補強の壁を
どこにいれるかをあらかた決めた!

補強の壁の位置や仕様の良し悪しの計算は……
明日以降に……アセアセ


今日の学び。
怪しいと思ったら……
積極的に向き合うべし!
チュー


 設計事務所 笑み太郎

一級建築士 池田 祐実英

 

 

 ホームページは現在公開しておりません。FacebookやインスタからDMください。