【顔に書いてありますよ】









『鬼灯様、此方の報告書に目を通しておいて下さい』
「分かりました」




各地獄の部署に其処の現状、改善点などを記すよう紙を渡した。それを取り行きついでに視察をして報告書の束を持って閻魔殿へと帰って来た。すぐさま鬼灯様に渡して冒頭の会話である。




「?どうかしました?」



次の仕事へ移らなくてはならないのに鬼灯様の珍しく眼鏡を掛けた姿に見惚れてしまって思うように身体が動かない。


なんていうか、ずっと見ていたい。

視線に気付いた鬼灯様はくい、と眼鏡を動かして意味あり気な目で私を見てくる。
その視線に思わずどきりとして俯く。
はぁと溜息を一つ吐くと頬杖を付いて言葉を紡いだ。




「見惚れてくれるのは嬉しいですが仕事して下さい」
『す、すみません』
「そんなに私が好きですか?
『はいっ?』
「私のこと好きって、顔に書いてありますよ?




ぼんっと顔が紅くなり、魚みたいに口をぱくぱくさせることしかできない。
好きなのは確かだ。
でもそれを口にしたことなんかない。
だけど、鬼灯様にはバレている。





「私も貴女のこと嫌いじゃないですよ。寧ろ好きです。でも今のままでは生温い」



ーー本気で私を落としてみなさいよ。








そういってレンズの奥の瞳が光を宿した。
『努力します…』と小さく返せば珍しくふ、と笑って「楽しみです」なんて言われた。




私なんかが落とせるのか分からない。
もしかしたら努力が踏み躙られるかもしれない。
けど、その兆しがないわけではない。
自分の努力次第だ。
頑張れ。私はやればできる鬼だ。
鬼灯様に背を向けてぱんっと両手で頬を叩いた。

























~あとがき~









こんばんは、さっぽです。






最近の夢小説の更新はめっきり
キャットタワーなのですが、
さくっと数分で完成した鬼灯様の夢小説を
久し振りにアメブロに載せます。

















最近なにを書こうにも
相手が鬼灯様か白澤夢になってしまって
自分でも苦笑いです(笑)







銀魂とか声優さんとか
もうちょっと考えようと思います。
















では、現世での行いには十分ご注意下さい。
















チーン…