【冬だ!雪だ!オクラだ! 参】

















「折角一緒に来たのによー…」
「“2人”が良かったんじゃねェか?」
「野郎共は置いて来れねェよ」
「じゃぁ仕方ねェだろ」



毛利と奥州に来た長曾我部だが、来て早々毛利が勝手に船を降りてはぐれてしまったらしく、仕方なく俺の所に来たらしい。“仕方なく”というところが多少気に喰わないが、夏以来の久々の再会だ。そこは黙っておこう。
とりあえず部屋に茶菓子などを用意させた後に話を聞けば毛利は船に乗った時点で機嫌が悪かったと言う。大方無理に連れて来たんだろう?と問えば、毛利が“雪が見たい”と言ったから…と小さく反論してきた。



「大体、あんたら敵同士だろ?」
「そこは…まぁいいだろ」



濁して言う長曾我部に不信を抱いたのは確かだが、掘り下げてはいけない気がしてそれ以上は聞かなかった。どちらにせよこれからどうするのかと問えばうーんと唸る長曾我部。It went(参ったな)…、とため息混じりて言ったところで廊下から足音が聞こえてきた。それは俺の部屋の前で止まったと同時にタンッと障子が開き我が妹のものだったと分かった。



『予想的中。元親みいつけた』



俺と長曾我部が距離を取りつつも向かい合って話している様子を見て妹はニヤリと笑う。小十郎居たわよ、と廊下の方へ向かって言うとそいつぁは良かったと言う小十郎の声と…



「よさぬかっ、離せ!」



というあまり聞き慣れない声。しかしそいつが誰かは大体予想が付く。今の声を聞いた瞬間の長曾我部の様子も一変したしな。そして2人の足音が近付き、再び俺の部屋の前で止まると案の定小十郎と毛利が姿を現した。



「毛利…っ」



奴の姿を見た瞬間長曾我部は心底安心したような顔をして立ち上がり毛利の側に駆け寄った。直ぐどっか行っちまいやがって、心配させんな、など一通り文句を言った後にグッと自分のほうに引き寄せ、でも無事でよかったぜ…と呟いた。
あぁやっぱりそういうことか、とその様子を見ていると妹は小十郎の手によって視界を遮られていた。



『なにするの!』
「姫は見なくていい」
『なんでよっ』



その光景には俺も喉でクツクツと笑ってしまう。まぁ妹が小十郎の手を退けた時には長曾我部と毛利の密着も終わっていたが… 。



「良かったじゃねェか、見付かって」
「あぁ、感謝するぜ」
『「いえいえ」』
「ところで毛利…」
「…なんぞ」
「雪、見れたか?」



その質問されるとピクリと毛利の肩が動いた。ってか、この時期に奥州に来て雪がないわけねェんだが、長曾我部は何を考えてんだ?毛利は毛利でそっぽを向いて…というよりは妹の方を見て、苦虫を噛み潰したような表情をしていた。その一方で妹は何かを催促するような奇妙な動きをとっていて、何してんだ?と不信にその様子を見ていると遂に毛利に変化が起こり、決心したような顔をして長曾我部を見詰めた。



「見た。しかし…、我1人では意味のないことぞ…ッ」



そう真っ赤な顔をして言う毛利に満足そうに笑う長曾我部と、ッしゃ!と嬉しそうに拳を握る妹。じゃ、一緒に見に行こうぜ?と長曾我部が毛利の手を取ればそれを握り返し世話になったな、と残し2人は城を後にした。
残された俺達3人が暫く無言の中、こいつらが毛利になにをしたのか詳しく事情を聞かねェとな、と思った。

だがそれはまた別の話だ。










         END.






























【あとがき】











ばさらちわ☆







取り敢えず、
チカナリの件の話は今回で終了です!




ちょっと…ぃゃ、結構?
BL的要素を書けて
非常に楽しかったです(笑)



姫にはまだ早かったんだね(笑)








続きを考えてますが、
次の壱、弐話で
この連載夢を
終了にしたいと思ってます。

完全終了…とまでは思ってませんが、
第一シーズン的な?




第二シーズンがあるといいね!







まぁ、予定は未定です←















ではでは、
BL要素満載?の今回の話に
感想などありましたら
お待ちしておりますヽ(°▽、°)ノ














         END.