咲き競う藤袴(ふじばかま)に、秋をひととき楽しむ。


京都市中京区   「行願寺 革堂」   (古都探訪 80)



二条寺町通に坐する「行願寺(ぎょうがんじ)」は西国観音霊場19番の札所で、平安中期行円上人によって創建された天台宗の古刹。



別名の「革堂」は、円上人がいつも鹿の革を身に着けていたところからそう呼ばれた。



寺は豊臣秀吉による都市計画のため、1590年に寺町荒神口に移転したが、その後1708年の大火により、旧地からやや南に下がった現在地に移転した。



その境内で10月7日(土)から17日(火)にかけ「藤袴祭(ふじばかままつり)」が艶やかに催される。



これは源氏物語ゆかりの花であるフジバカマをこの機会に愛で、平安京の風情を感じてもらおうという趣旨で、お寺を中心に寺町通から丸太町通まで街頭に花鉢が並ぶ。



境内には仄かに清々しい香りが漂い、心がしんみりと癒される。



海を渡る蝶として有名なアサギマダラが、この花に誘われくることはつとに有名だが、流石に洛中で見かけることは稀か。



フジバカマは秋の七草のひとつとして万葉の昔から親しまれているが原生種は限られ、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)種*に指定されている。   尚一般に観賞用として売られるフジバカマは、同属他種または本種との雑種である。

*20年前、西京区大原野で原生種が発見された。

              photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ