昨日文末にご紹介した「イオン環境財団」について、少し触れておくことにします。

イオン環境財団。
「イオン」と言えばジャスコさんですよね。 その本体(イオングループ)が設立した、全国、全世界(主にアジアが中心ですが)を対象に、植樹による緑化事業を進めている財団法人です。

財団のホームページを一度開いてみてください。
http://www.aeon.info/ef/

日本語バージョンをクリックして、画面左の「日本の緑化」「世界の緑化」をそれぞれクリックして見てみましょう。

世界の緑化の「中国万里の長城緑化」では、2003年から2005年までの「モウコナラ」を主木とした緑化事業の奮闘振りが垣間見えます。(この時のエピソードに触れる度、僕は目頭が熱くなります。)
更なる、緑化のため07年から新たな5カ年計画も始まっています。

次に「日本の緑化」を開いてみます。
全国各地で色々な事業が展開されています。 各地で植栽された樹木を見てみると、シイ、コナラ、タブノキ、カシ、ミズナラなど主にシイ、タブ、カシ類の樹木を中心に植栽されている事が分る。(サクラの植樹など花園事業は別)
鳥取の「里山再生」とは明らかに、品種や数量が違うことが分ります。

もう一つ注目してほしいのは「松枯れによる海岸防砂林復元のための植樹」です。
秋田・下浜海岸と金沢・加賀国定公園の2例が紹介されています。

砂丘と言えば「三保の松原」に代表されるように、私達のイメージでは間違いなく「松林」です。
しかし、実際に植栽されている樹木を見るとタブノキ、スタジイ、マサキ、カシワ、ミズナラなど肝心のマツが出てきません。
昨日のブログでも書きましたが日本の多くは「広葉(照葉)樹林帯」なのです、何もそれは山林だけでなく、海岸部でも同じことが言えるのです。
本来マツは、岩場のテッペン等に生育する樹木であり、海岸線のマツは人工的に作られたものなのです。
近年、松くい虫の被害等で松林が全国で崩壊していますが、これは人工的に作られた景観であると同時に、マツの特性である「パイオニアツリー」である事が大きく影響しています。 パイオニアツリー(先駆的樹木)とは、さら地とか荒地にいち早く芽生え、大きく成長する木の事を指します。 しかし、やがて森が途中相から極相に移行するに伴い、衰退し枯れていくのです。 いわばマツは樹齢が比較的短い木であると言えます。(もちろん例外の老木も数多く存在しますが、、。)

ですから「松林の保全」には相当の労力と環境悪化(薬剤散布)、多大な費用が掛かるのです。 それを「本来の森」に返してやれば解決するのです。
しかし、それを全てやれと言っている訳ではありません。 松林の風光明媚な姿は、人間の作り上げた文化的で独自の自然観を見出してきました。 松林も残しつつ一方で本来の姿に戻す。 これが理想の形だと私は思います。

防砂林の保全は私達の身近にある「鳥取砂丘」でも同じ問題を抱えています。
松くい虫被害で松林が崩壊、土壌改良用に植えられた「二セアカシア」は蔓延り、大風が吹けば倒壊し危険。
数年前、松林の崩壊現場で、砂丘保安員の方と話しをする機会があった。
その中で「タブノキやシイ、カシを植えてみたらどうか?」と言ったら「鳥取大学の先生はそんなことは言わない。」と耳を貸そうとしなかった。

専門家の言う事は絶対ではない、もう少し広い視野を持ち柔軟に考えてみればよいのに、とその時痛切に思いました。

今回も長くなりました。 最後まで付き合っていただき、誠にありがとうございます。