先日大阪出張で着た洋服を、クリーニングに出しに行った。
「ジャケット 380円、パンツ 350円、マフラー 300円、コート 1580円。」
「1580円!?」
「カシミヤのコートですので、特殊加工で、仕上がりに1週間ほど掛かります、、。」

実はこの黒のカシミヤコート、母が僕のために誂えてくれたコートだ。
十数年前、母は神戸に本社のある某メーカーの下請け会社で、主にオーダー品の縫い子として働いていた。 その時、余った生地を安く買い、僕に数着のコートやジャケットを作ってくれたのだ。
当時「その腕」が見込まれ、ある皇族の方の洋服を専門に縫っていたのだが、時が経ち今では、ズボンの裾直しをする程度まで衰えてしまった。

母のこのコートを着るたび、あの頃の元気な姿と、それよりもずっと昔、小さい頃、明かりの下で深夜まで一生懸命内職していた姿が蘇って来る、、。

これら母からの「贈り物」は僕の一生の宝物です。