もか!パパさん達出てきた!

お店出た薄暗い方に待機していた友人AさんからのLINE電話

え!
どこらへん?
よく見えない…


木の近く見てみて!
2人で話してるっぽい


あ、ほんとだ!
あれパパだ
かなり暗く見えづらかったですが朝着ていたコートの色とシルエットで夫だとすぐに分かりました

よーく目を凝らして見ているとかなり近距離で話しているようです

その後2人はお店と繋がっているホテルの方へ歩いて行きました

まさか…そのままホテル⁇


するとホテル側で待機していたBちゃんカップルから連絡が


パパさん達トイレ行きましたよ!

出てくるまで待ってみますね


ありがとう!

また動きあったら教えてね


わかりました!

と電話を切ったのです


そしてそのあとまたすぐにBちゃんから電話が


いなくなっちゃった‼︎

姿見えない!



グループ通話していたAさんも慌てて走って探しに行ってくれました


しばらくすると見つけた‼︎と連絡が。

トイレ裏の出口から出てきたらしく

パパさん、女の人の腰に手を回してる…

言いにくそうにBちゃんは報告してくれました


あーやっぱりそうだったのか…

悲しみの後すぐに怒りが湧いてきた

嘘つき!

お客さんなんかじゃないじゃん

どうして平気で嘘をつくのよ…

私の夫はそんな人間じゃなかった



いつも家族ファースト、家族での思い出が数えきれないくらいいろんな所に連れて行ってくれた、その写真も沢山飾ってある

子供達もそんな優しいパパが大好きだった


奥さん孝行も忘れない

記念日はもちろん、接待で行ったお店にママも連れて行きたいと言ってくれてその気持ちが嬉しかった

映画デートにも連れてってくれた

結婚20周年記念では私が欲しがっていた時計を夫婦旅行で恥ずかしそうに出してプレゼントしてくれた

あのパパの優しい笑顔一生忘れない

大好きな笑顔だった


私も仕事をしているのでパパが休みの日は家事育児全面協力してくれた


「パパはイケメンのイクメンだねっ」


そう言って笑いあった過去が懐かしい  

幸せな日々だったんだと今実感する


どうしてこんなことに?

私達上手くいっていたじゃない

パパはいつからそんなこと出来るような人に変わってしまったの?


更なる裏切りに震えが止まりません



今度もかの方に歩いていくよ

友人Aさんから連絡がありました

私もそっち行くから

うん

見つからないように気をつけてきてね

と声をかけました



私の待機していた方は大通りに面していて真っ直ぐ歩いて行くと駅です

友人Aさんが私のところに来ると彼女は言いました

もか大丈夫⁇

2人がお店出た後暗がりでパパさん女の人の頭を撫でていたよ…


ハァ

溜息しか出ない


パパさん達このままタクシー拾って行ってしまうと捕まえられないね


私、パパ達の後ろ距離取って付いていく


そして手を繋いだり腕組んだりした瞬間声かけるわ

現行犯で何にも言えないもんね


そうだね

わかった


私達はパパさん達に見つからないようにでももかのこと見守ってるからね


ありがとう


パパ達が私達の前を歩きしばらくすると…

2人が手を繋いだのです



それを目の前で見た私は、もう反射的に走っていました

頬に伝う涙は真冬の寒さで冷えきって、でも拭う間もなくとめどなく流れています


こんなショックな事が自分の身に起るなんて…

許せない

絶対にあの2人許さない


2人に追いついた私は夫の腕を叩き

「パパ‼︎」

「パパ‼︎こんなとこで何やってんの‼︎」


泣き腫らした顔で声をかけたのです