人間の誕生は神秘的だ。
赤ちゃんは狭い産道を命がけで通り抜けないと、この世に誕生しない。
産む母親もまた出産は命がけだ。
神は何故こんな試練を与えたのか。
その昔、街の小さな産婦人科で赤ちゃんが産まれた。
新しい生命の誕生である。
しかし、その赤ちゃんはオギャーとは泣かず、瀕死の状態であった。
へその緒が頭に巻きついて窒息状態にあり、顔は紫色、頭も変形していた。
医師は母体の処置をする時間もなく、赤ちゃんの救命に必死だった…
これが私の出生である。
奇跡的に一命を取り留め、この世で生きていける事になった。
今更ながら産んでくれた母親に感謝、そして医師にも感謝をしたい。
母親の話では赤ん坊の私の頭は変形していたので、寝かせる向きを工夫し、何とか正常な形に整えようと日々お世話をしてくれたそうだ。
おかげで出産時の後遺症もなく、五体満足な身体で生きてこれた。
ここから、波乱の人生はスタートした。