数え切れない引越しそして夜逃げ。離婚と裁判。運命の人との生活。   アパート暮らしを4年の後に念願の・・・ -11ページ目

ある日
父は、お店を作った。
父は、昔から自分のお店を作ることが夢だったらしく
ボクシングを引退して、仕事がひと段落したときにお店を作りました。
名前は、「ふれあい食堂」
なんだこの名前(笑)
僕は、そう思いました。
父も深い意味はなくつけたそうです。


父は食堂の裏にコインランドリーも作りました。
そのため洗濯しに来たお客さんが食堂に流れることが多かったです。
僕は、毎日学校帰りに食堂に寄りました。
なぜかって言うと
学校から徒歩5分のところにあったからです。
当時は小学生だったのでいろんな遊びをしながらお母さんとお父さんが仕事終わるのを待っていました。
いろんな遊びとは、近所の子達を集めて鬼ごっこしたり
どっかの畑から取ってきた野菜で変なことしたり
変人さがして、変人追っかけたりしてました。

どれもとてもおもしろかったです。



けど、事件が起こりました。
僕たちが家に帰り、食堂に誰も居なくなった夜中。
コインランドリーに強盗が入ったのです。
朝行くと、もうコインが保管されているところがボロボロでした。
鍵も思いっきり壊されていて
直せる状態でもありませんでした。

犯人は、どうせ捕まると
僕は、思っていました。
けど、防犯カメラがついていなかったのです。
そこが父の失態でした。
ケチなうえに損をしたのです。
とても悔しがっていました。
警察も調査しましたが指紋は残ってなく
結局犯人は捕まりませんでした。


事件があったものの食堂の売れ行きは、まあまあでした。
もはや看板娘の母は、記念撮影を頼まれるくらい人気でした。
テレビの取材も来て、母はとても人気でした(笑)

実は、父が居るのにもかかわらず
母に惚れた人がたくさんいます。
めちゃめちゃ高いチョコを送ってきたり
時計や指輪をあげてきたりで
とても大変そうでした。



だが、3年も経つとだんだん客足が減って行きました。
すると父は思い切った行動に出たのです。


店を移転したのです。
僕も最初戸惑いました。
だって転校もしなきゃなんないと思ったし
住所も変わるからです。


でも、お店を変える理由は
売れ行きだけが問題ではなく
もう1つもっと重大な問題があったんです。



(エピソード10:ある日【1】)