「ゲシュタルトの祈り」 | 藤井浩行の「よりよく生きる力を育む」ブログ

藤井浩行の「よりよく生きる力を育む」ブログ

※「夢サポートクラブ」からタイトルを変更しました(2011年11月20日) 
※「『貢献する力」を生きる』藤井浩行のブログ」からタイトル変更をしました(2019年6月30日)

これはゲシュタルト療法の創始者である心理療法家のフリッツ・パールズが創作した詩です。

私は 私のことをする
あなたは あなたのことをする
私は 何もあなたに気に入られるために生まれてきたわけではない
あなたも 私に気に入られるために生きているわけではない
あなたは あなた
私は 私
もし二人が出会うとしたら それは素晴らしいことだ
もし出会わないとしても それは仕方のないことだ

32年ほど前に初めてこの詩に接した時は少し冷たく感じました。

「あなたはあなた 私は私…」

お互いの間に壁があるような、そんな風に感じたのだと思います。

しかしそうではないことに気づきました。


ところで心理学の一分野に「交流分析」という理論があります。

この理論では、私たち人間は2歳、3歳の時期までに生き方の「基本的構え」を身に着けると言います。
その中に一つに「勝者のポジション」と言われる構えがあります。

「I'm OK. / You are OK.」です。

「私」はすばらしい存在 愛されていい存在 価値がある などなど

「あなた」はすばらしい存在 愛されていい存在 価値がある などなど

そのように私と他者の存在に対するポジティブなイメージや感じを持つことです。
このような在り方を幼少期から身に着けて人生を生きている人は、自己肯定感も高く自信を持ち、他者との人間関係もうまく創って行くことができるのでしょう。
だから物事がうまくいきやすい。すなわち「勝者」なのです。


そして僕は「ゲシュタルトの祈り」の「あなたはあなた 私は私…」は「You are OK. / I'm OK.」のことだと理解するようになりました。
そうすると「ゲシュタルトの祈り」は冷たいどころか、相手と自分を最大限に尊重している自由賛歌の詩と感じるようになったのです。
お互いが依存しない独立した自由な存在なのです。

慶應大学の前野隆司教授は「幸福の4因子」を発見しました。
その第4因子は「独立と自分らしさの因子」です。
他者の評価に依存することなく独立して、自分らしく生きている人はそうでない人よりも幸福度が高いということです。

ゲシュタルトの祈りは「幸せの因子」を育む在り方を表現していると考えています。