大正から昭和初期にかけてのごく短い時期、日本楽器製造(株)後のヤマハで子供が弾くような小さなグランドピアノが製造されていた。その楽器は、「ピアネット」。
ピアネットは、全国でも数台しか見つかっていない幻の楽器だ。
武蔵野音楽大学楽器博物館(東京・練馬区)に1台(こちらも1923年製!)と、ヤマハ本社に1台保管されている。
資料が残っていないため、製造台数も現存する台数も定かではない。
一般的なグランドピアノは鍵盤数が88鍵で、アクションの上にある弦を下から叩くのに対し、ピアネットはその逆で弦を上から叩く。
45鍵で、小さな鍵盤はオルガンサイズ。
鍵盤下の膝があたる位置に、ピアノのダンパーペダルと同じ働きをするニー・スウェル(膝で調節する増音器)がある。
「外見は小型グランドピアノだが、打弦機構はまったく別物。音量も小さく、弦の張りも強くない。とても繊細な楽器」
明治後期から国産ピアノの生産が始まったとはいえ、庶民にはまだまだ高嶺の花。
ピアネットは一般家庭への普及目的に作られたのではないか。
当時でもかなりの高級品であったことには違いない。
そっと弾いてみると、オルゴールのようなやや高い音色で、鍵盤は重い感じ。指に力を入れて弾かないと音が消えてしまいそうだ。
上から

ピアネット

フレームに沿ってPianette No2の刻印。

響板の中央にあるN.G.S.K.Kは日本楽器製造(株)の頭文字
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