連打以外にもう一つ、グランドピアノとアップライトピアノには表現上の大きな違いがあります。
それは強弱です。
音楽表現で強弱は非常に大きな意味を持っており、強弱がつくかつかないかは演奏者の技術はもちろん、楽器自身が持っているダイナミックレンジの幅にも決定されます。
グランドピアノが持っている幅のうち、強い部分と弱い部分を表現する能力を、アップライトピアノは持っていません。
しかし、すべてのピアノ曲の楽譜では、グランドピアノが持っているダイナミックレンジの幅で強弱がつけられています。
したがって、たとえば同じフォルテシモで弾いても、グランドピアノとアップライトピアノとでは音の大きさが変わるわけです。
また、ピアニシモで弾いた場合、グランドピアノなら小さな音をクリアに出せても、アップライトピアノではそれができません。
あまり弱くすると、弦を打ってくれなくなります。