音楽論考(練習帳♪)
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Cajun Dance Party (ライブ)

2008/12/11 SIBUYA-AX


→恐るべし、本気のケイジャン
2008年最も注目された若手新人UKバンドと言っても過言ではないだろうケイジャンがサマソニから4ヵ月ぶり2度目の来日、初の単独公演を行った。

サマソニのステージも目撃した筆者の率直な感想としては今回の公演の方が格段に良かった。もともと演奏の腕には定評のあるバンドであり、サマソニでもその技術の確かさとケイジャンの独特な世界観の核である妖艶なまでの気高さを見せつけてくれた。しかしどこか曲を淡々とこなしているという印象もあり、パフォーマンスとしては少々物足りなさが残っていたように思う。
だが、今回は明らかに違う。サマソニと同じように1stアルバムの1曲目でもある『カラフルライフ』から幕を開けたステージは、新曲を4、5曲含むセットリストで次第に盛り上がりを増していったのだが、その勢いはサマソニの淡々とした空気とはまるで違い、ヒリヒリするような危ういまでの熱っぽさを含んでいた。特に最高潮に達したラスト2曲とアンコールの最後『ネクスト アンタッチャブル』は、Vo.ダニエルがシャツを引き裂き、マイクを振り回し、客席にダイブするなど完全に振り切れている。新曲で「Come on×3」と挑戦的な目と仕草で観客を煽る姿もゾクゾクさせられた。
途中、『バターカップス』をKey/Vo.ヴィッキーがリードボーカルを取るというようなファンには嬉しいアレンジもあり、アンコールも含めて1時間という短めなステージだったが、充実した内容であった。

近々2ndアルバムのリリースも噂されているケイジャンであるが、今回披露した新曲はどれも1stからの更なる成長を感じさせる粒ぞろいだったので、期待しても間違いないだろう。

THE RACE OF A THOUSAND CAMELS

BOA(UKバンド)の1998年に発表されたデビューアルバム。

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もう10年も前の作品になるが、古くささは欠片も感じさせない。
むしろ繊細かつ力強く響く女性Vo.ジャスミンの独特な声質とエスニック風のサウンドが、新たな音楽的世界観が多く産み出され、享受された2008年においてもなお、新鮮に映えると言えるだろう。
冷静さと情熱をあわせ持つ大人なロックが熱帯を思わせる鮮やかな色で奏でられている1枚である。

イデアの水槽

GRAPEVINEの2003年発表、通算6枚目のアルバム。



→リアルな体温
やはり、グレイプバインの音楽はすごい。滲み出る色気、絶妙なラフさと真剣さのバランスが飄々としたカッコ良さを力強く魅せている。それは特に1・2曲目で顕著にみられ、Vo.田中の艶っぽい声は要所で幅の大きな広がりを見せる。一気に曲の世界観が拡張し、リズム隊が拍車をかけるように焦燥感を煽ってくる。そうかと思えば、非常に生活に近い視点から愛くるしく人間の体温を求める一面や、世の中に唾を吐き散らすかのように荒れる一面もある。それは一見、とても器用に楽曲の温度調節をしているようであるが、その温度変化こそ極めてリアルな人間の姿ではないだろうか。歌詞やリフがどんなにカッコつけても、日常とはかけ離れて思える神聖な狂気を表現してもなお、グレイプバインの曲が私達の感受性の重心を突くのはバンドが曲に宿した体温が原因だろう。

それにしても、「胸くそ悪い程愛してるさ」(2、シスター)はカッコ良すぎるでしょ。