先日、たまたま、テレビをつけたら国会中継をやっていた。
ふつうなら見ないところだが、この日は、何年かぶりで少し眺めた。
しかし、何年経っても変わり映えはしない。
野党の質問に対して、はぐらかすような答弁を繰り返すだけの政府与党。
決して、すべての政策がそうだとは言わないが、日本の重要政策は、
基本的に、米国政府の強い意向を反映したものであるということが、
いわば“国際常識”になっている。
これまで、
米国、中国、バングラデシュ、イランの支配階級の人々と個別に話したが、
彼らは、
「日本は、1960年の岸信介政権時の日米安全保障条約締結以降、
米国の要求に応じる形で政策形成をしている」
とあっけらかんと話してくれ、
「そんなことは誰でも知っているよ」と笑っていた。
日本国内でも、大臣経験者と話していると、まったく同じことを言う。
ところが、日本国民には、そうした事実が報道されないせいなのか、
日本の政策は、日本政府が、自立的・自律的に形成し、実施している
と信じている人が、今なお多い。
それどころか、
その時どきの首相の気分や個人的な嗜好で、自由に、勝手気ままに
重要政策が決定できるなどと思っている人たちまで大勢いる。
昨年の安保法制をめぐる騒動における
「安倍首相は戦争好きだから・・・・」という主張など、その最たるもの。
まるで、日本が、特定ファミリーに支配されている某独裁国家と同じ・・・
と考えているかのようだ。
日本の国際的プレゼンスがこれ以上強大になることを望まない米国
の意向を反映して行われた政策の中で、
もっとも強烈な破壊力を発揮したのは、
私見では、「年功序列・終身雇用」の放棄だ。
そのとき、日本中が歓喜の声に湧いた。
「実力主義の時代、ようやく到来!!!」などと言って、
多くのメディアが囃し立てた。
しかし、90年代、代わりにやってきたのは、
派遣労働者など、非正規雇用を主力とする雇用体系であり、
また、正社員であっても、会社側の都合でいくらでも「リストラ」できてしまう
雇用環境であった。
ある大臣経験者は、「米国の思うツボに嵌まってしまった」と慨嘆していたが、
まさにその通りだ。
企業で働く人々は、
多くは、非正規ゆえに、給与水準は低く、身分はいつも不安定。
正社員もまた、不況を理由とした低賃金・長時間労働に加え、
リストラの不安の中で、仕事に従事することとなり・・・
こうした状況は、今も、基本的には、変わっていない。
いや、それどころか、非正規雇用の比率は、
今後も、さらに上昇し続けると言われている。
実際、正社員を基本とし、終身雇用を長年維持し続けて、
「日本のブータン」
と、その幸福度の高さを称賛されてきた福井県産業界でさえ、
非正規雇用の比率が年々高まりつつある。
こうしたことを書くと、すぐに、
「だったら、日米安保条約を破棄して、主権国家として真の独立を手に入れ、
自立的・自律的な政策運営をすればよいのだ!!!!」
と、安易な極論を述べる人びとが大勢出現するのも日本の特徴だが、
それが、日本に何をもたらすか正確に見通せる人はいない。
厳しい足枷を填められた中での政策形成・・・
これから、日本はどうなっていくのか、課題山積の中、
舵とりは、いよいよ難しくなってきたようだ・・・・



