昨夜から今朝にかけて、アルペンスキーの最後の種目、男子回転(スラローム)が行われ、イタリアの伏兵ラッツォーリ選手が優勝しました。
しかし、この試合の最大の注目点は、今回の五輪で、まだ1個もメダルを獲れていないオーストリア男子アルペンチームがどうなるか・・・ということ。
果たせるかな、今季ワールドカップ・ランキング1位のラインフリート・ヘルプストが下位に沈んだばかりか、トリノ五輪の2冠ベンヤミン・ライヒも4位に終わり、さらにプランガー、ヒルシャーも結果を出せませんでした。
この結果、「滑降」(ダウンヒル)、「スーパー大回転」、「スーパー複合」、「大回転」(ジャイアント・スラローム)、「回転」(スラローム)というアルペン全5種目を通じて、オーストリアは、金メダルはおろか、銅メダル1個すら取れないという歴史的な大敗北となりました。
1936年にドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘン大会で始まった冬季五輪の歴史において、74年ぶりの出来事であり、これを国技とするオーストリア国内では、これから大きな動きがあるに違いありません。
監督・コーチ以下、スタッフの総入れ替えはもとより、選手の育成・強化の在り方を含む、戦略の抜本的な見直しが図られることは間違いないでしょう。
言うまでもなく、オーストリアは、アトミック、フィッシャー、クナイスルを初めとする世界的なスキーメーカーを有しており、同国の重要な産業となっています。
また、ソフト面では、オーストリア・スキー・メソッドを世界に広めることが、重要な産業として位置づけられます。
そして、オリンピックでの成績の良し悪しが、これらの産業の盛衰に直接的な影響を及ぼすこともあって、同国では、アルペン競技は、「勝って当たり前」「勝たないと困る」という意識が強く存在しています。
そのため、国としても、莫大な予算を投下して、選手の発掘・育成・強化のシステムを構築し、過去半世紀以上にわたって、「世界のトップ」「王国」としてのポジションを構築・維持してきました。
私自身、幼少の頃からオーストリアのメソッドでスキーに親しみ、1966~7シーズンにアルペンスキーFISワールドカップが創設された頃からアルペンレースを追跡し、特にオーストリア・チームを一貫して応援してきました。
それだけに、私としても、今回の五輪でのオーストリアの動向を注視していたのですが、よもやメダルなし・・・・とは!!
いったい何があったのでしょう・・・・??
昨年10月から今年の1月末までのワールドカップの各大会は、スカパー!での放映も含め、ずっと追跡していましたが、各種目ともに、オーストリアから優勝者が何人も出ており、少なくとも、五輪での大敗北を予感させるほどの材料は見当たりませんでしたが・・・・・・
日本のスキーヤーの間でも、オーストリア・ファンが一番多いことはよく知られていますが、これから先、オーストリアが、この事態にどう対処しようとするのか、要注目です。