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本日は「アパ-トにお住まいの方が失火した場合の賠償責任」です
このブログを継続的に読んでいただいている方は、以前「失火責任法」に
ついて書かれていたことを覚えておられると思います。
つまり「自分の家から過失によって火を出し、隣家まで延焼してしまった場合
その隣家に対する賠償責任は(民法709条不法行為責任の例外として)
発生しない」というものでした。
逆に言うと「持ち家を守るためには各自が火災保険に入る必要がある」という
ことです。
それでは本日のテ-マである「アパ-ト住民」の場合はどうなるのでしょうか?
(答え)
1.アパ-トの他の部屋の住民の家財道具に対する損害に対しては「失火
責任法」が適用されて賠償責任が発生しません。
2.他方、アパ-トの借り手は「大家さん」に対して「借りた時の状態で返す」
という「債務履行」の責任があるので、それができないということであれば
賠償金で償うことになります。(債務不履行責任)(民法415条)
3.それに備えるためには「借家人賠償責任保険」をかける必要があります
4.大家さんは上記リスクに備えるためには、アパ-トに火災保険を掛けて
おけば「失火者から取りっぱぐれても」再建が可能です。
(保険料相当分を各借家人の家賃に上乗せして徴収するという方法も
よくあります)
(結論)
失火責任法はアパ-トの住民の失火の場合も適用になるが、それは他の
住民との関係であり、大家さんに対する「債務不履行責任」を免れること
はできない。
です。
次回は「病院の広告規制」か「企業の賠償責任」か「専門職業人の賠償」
です。