祖父のいる世界を覗いています


ーー

ひっくり返った天と地で

落ち葉の裏でおにごっこ

ト音記号が列をなす

紅い紫陽花咲いている


角煮に叉焼食べ放題

めくれた暖簾が膝をつく

砂糖のいらないミルクティー

小鉢に芽吹いた花水木


空を仰いだ囲碁盤を

とがった上呂が見つめてる

白黒つけずに小休止

出番を待ってる杏露酒


柿とメダカが背くらべ

畑の捺印年賀状

詩吟の上手いひょっとこが

松の実おぶって山登り


白玉団子の号令に

みかんの皮が踊りだす

山吹色の行進と

新緑たちの徒競走


湯の花饅頭餡だらけ

桜の穂先も夢ごこち


ーー


聞きしに勝るいいところで

終始驚きながら見せてもらいました


祖父のびっくりして照れた顔

目を細めて笑う大好きな顔

そちらでも健在で嬉しかったなぁ

どうにもせわしない日々で疲労困憊の中

寂しかったり励ましてほしかったり

だから今回このツアーに応募し当選できて本当に嬉しかったです

地球は今大変です

住んでいる私でさえついていけない毎日です

本当にどうしたらいいのでしょう…

それでも

祈るのはこちらからばかりだと思っていたけれどそちらからも毎日祈りの儀式があるのですね

大切な者同志が幸せを祈り合うことは

どこにいても変わらず

私たちの日常を形づくってくれていること

忘れずに暮らしたいと思います


今日のことみんなにも伝えておきますね

ではそろそろ夕飯の支度なので戻ります


ーー


日が暮れて雲の切れ間

地上の幸せ祈ったら

満開の梅うぐいすたちが戯れて

艶の牡丹に蝶が舞い

人に動物破顔一笑









                  ERIKA