テレビの中に母がいる

昔を懐かしむテレビの中に

母は必ず大きな看板を背負って登場する


豪華な衣装と派手なお化粧

それも魅力なんだけど

艶のある歌声と圧倒的な表現力で

周りの人を魅了させたんだよ

本当に自慢の母


その歌声は有無を言わさない


テレビの中の母が歌う

<わずかばかりの運の悪さを恨んだりして>


私、自分を恨んじゃうことあるよ

しょうがないって思えないこともあるよ

そんな時はいちばんに母に相談したくなる

そんなこともお見通しかな


でも

<人生って不思議なものですね>


そう笑って締めくくってくれた母のように

全てを包んで笑っていたいなぁ

人生には不思議の中に幸せがあることを

忘れずに受け止めて暮らしていきたい



今日もみんなの心の中に宿る母が歌ってる




本当はみんなの心の中じゃない

私の心の中の

私だけの母なんだよ

テレビの中の母は母によく似ている

似ているから少し嬉しくて

似ているから少し寂しい


そんなきらびやかな衣装を着てないで

よそ行きの顔をしてないで

いつもの普段着になって

早くこっちに来てよ

こっちに来て抱きしめてよ

そしたら泣いちゃうかも知れないけど

ちゃんと

待ってたよ、ありがとうって言うからさ

ちゃんと言うから抱きしめてよ





母が今日も私の中に降り注ぐ


母、燦燦と

母、燦燦と


それは穏やかな春のように

母が私を明るくしてる

母が私を生かしている


母、燦燦と

母、燦燦と

母が私の中に降り注ぐ


母が私を生かしている

母が私を生かしている



そうか

いつか最初に抱きしめるのは私のほうなんだね




もうすぐ夏が来ます

おかあちゃん、どうしてる?




母、燦燦と

母、燦燦と




おかあちゃん、今日も大好きだよ