ほうほうほう

それは鳥の鳴き声ではない

愛しい人が目を瞑って頷いている時の
小さな、しかしとても貫禄のある声だ

一面に緑の見える庭を見ながら
ただ好きだから手と手を繋いで

ほうほうほう

その横顔を見ながら
皺の数は歳の数ばかりではない
苦労して
それでも笑って
自分自身を豊かにした数だと私は信じていた

周りの人もたくさん笑顔にしてくれた
ああ 人だけじゃないよね
鳥さんもメダカ達も庭に来る猫も松の木も
全部全部大切にしてたもんね

ぶっきらぼうで不器用だったあなたが
甘えん坊になってくれて本当によかったぁ
だからこうして手を繋いで楽しめる
そんなこともよく考えていたな


私の手を握り
ほうほうほうと
あなたは笑う

そのぬくもりと言葉ひとつで
私はいつだって安心できた

今だってきっと言ってるさ
ほうほうほう

ほうほうほう
あんたが決めたことならそれがいい、と 
ほうほうほう
ただ身体だけは壊すなよ、と
ほうほうほう
いつもありがとう、と
喜んでくれているだろうか


握られた手は
祖父から私へ
そして私から母へ
今、とても強く優しく繋がれていることも
あなたに伝えたい
ううん、伝えなくても見てくれてるね

私と手を繋いでゆっくりと歩く母
こうやってこうやって
支え合いながら生きていくんだと実感してる

それがとっても幸せなことも


ほうほうほう
この綴りを聞いて
私はいつもふざけて真似をした
少しだけゆったりとした口調で
ほうほうほうと真似をする

瞑った目が少しずつ開いて
優しく細い目に変わったあなたは

おやおやおや

ふたりで大笑い


ほうほうほう
守っていてね
ほうほうほう
これからもずっと
ほうほうほう
いつも心の中にいるあなたへ


                            
 

祖父やっちゃんと大切なものの詩


                            2022.08.13  ERlKA



           
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皆様
お盆は愛しいお空の人や動物たちが
より近くに…
色々なお話をして
私達がまた強く生きる力を
もらいたいと思います黄色い花黄色い花