理不尽だ。

会社の利益のため、ましてやお客様のために私は実務をこなしながら、改善提案の一環として、年間数百万規模の利益好転計画をほぼ1人で進めていた。

私の会社は典型的なオーナー会社、また給与も年功序列。
要はどんだけ会社に利益をもたらしたかよりも、どんだけオーナー家に忠誠を誓ったかが大事なのである。

当然、上司たちはそんな環境で長年過ごしてきたわけだから、お客よりも、部下が抱えている悩み、問題よりも、オーナーに媚びることしか考えておらず、イエスマン達しかいないのである。

私は1つの重要顧客を3年ほど担当し(異動が多い当社にとっては異例)、客からも、また社内でもそれなりに信頼を勝ち取ってきた自負はある。

少し話はそれるが、歴代担当者はその激務ゆえ、目の前の業務が「作業」となり、問題点を解決、交渉するまで至っていなかった。
私は就職活動時にリーマンショックの影響を1番受けた世代なので、その当時相手にもされなかった会社が今の顧客であったり、社内で緊張感のない連中には絶対に負けたくない、自分にしかできないことをしてやろうと、新入社員の時から人一倍努力してきたつもりだ。

話を戻そう。
そんな私だから、また1つの顧客を運良く長く担当できたら、今まで利益を取りこぼしていた点を見つけ出し、年間1000万規模の利益好転を成し遂げた。
(毎月その根拠となる資料作りは物凄く大変なのだが)
また社内に目を移し、これまでほったらかしに、なぁなぁにされてきた問題を見つけ、冒頭の改善提案の準備を進めてきた。

なぜ評価もされず、給与も変わらないのにそんなことをやるのか?
理由は就職氷河期と言われたその当時、こんな私を採用してくれた、生きる場所を与えてくれたことへの恩と、今の仕事内容が好きということに尽きる。

今回の提案をする上で、社外パートナーが必要であり、たまたま私の後輩の実家がパートナーになれそうだったので、そのコネを使い設計、開発から進めていた。
当然私の所属上司たちにも話は通したが、「それはそういうもんで、仕方ないよなぁ」的な返事しか返ってこず、まぁ期待はしていないが私は1人で進めるしかなかった。
ただ1つの事実として、その社外パートナーになれそうな会社が、当社の本社の取引先でもあった。設計から始めるため、失敗する可能性もあったため、変なプレッシャーがかかるといけないと思い、形になり始めたら報告しようと考えていた。

そして昨日いけそうだと連絡があり、本日本社営業部に向け展開したところ…

取締役本部長(現オーナーの息子、次期社長)から怒りの電話がかかってきた。

聞いてない!本社は誰も知らない!
口答えするな!幼稚園児みたいな言い訳するな!と。

私は言いたいことが山ほどあったが、
嫌味なことを1つ言ってやった。

そもそも創業60年を超える当社が、なんのノウハウもなく、発想も無く、現状に甘んじて仕方ないの一言で長年片付けてきた、利益を取りこぼしてきたことに終止符を打とうと、実務の傍で1人で奔走してきた若手社員に向けて、たまたまオーナー家に生まれたというだけのバカ息子が言い放ったのだ。

確かに、私から営業担当に話をしていなかったのは悪かったと思うが、所属上司へは報告をして、最低限のことはしている。
本社報告は、その上司預かりだ。

世間はきっとこう言うだろう。
サラリーマンだから。
オーナー会社だから。
会社同士の付き合いだから。
上に恥をかかせる気か。
筋が違うだろ。

わかってる。
そんなことはわかってる。

ただ私が言いたいのは、
上に立つ者は、部下が、社員がどんな想いで、どんな仕事をしているかを知ろうとしてほしいという事だ。

私は別に1つの歯車でいいのです。
ただ、その1つの歯車は、この数年で数千万の利益を好転させた歯車です。
同時に会社の看板があったからこそ、それができたという事も理解している歯車です。
これから数百万の利益好転を考えている歯車です。
しかし、その動きを止め、一気に多額の損失を生み出す事もできる歯車でもあります。

私は今日、悲しい気持ちになりました。
ただただ悲しかったです。

まぁ、なんだかんだと言ってもこの社風は変わらないのだから、その中でどう生きていくか、1つ成長したと前向きにとらえ、明日からまた頑張ろう。

いつかこの経験は、将来現れるかもしれない、まだ見ぬ次の「私」にいかしてあげたい。