時刻は23時を過ぎた頃。


ジャポニカロゴスの音声を聞きながら、私は洗面台の前に立った。


今日は旦那さんのいない日。


私は1人、時折ジャポニカロゴスの出演者の笑い声を気にしながらも、メイクを落とす。


オイルクレンジングで、時間をかけてマスカラを落とす。


メイク落としの最中というのは、目も開けられないし、手もベタベタで、とっさには使えない。


誰かが来たり、携帯が鳴ったりしても、すぐには対応しにくい状況のひとつである。


そんな時だ。





『ブーッ』


…?


携帯ではない。バイブにはしてないし、もっと音が近い。


『ブーッ、ブーッ、ブーーーン。』


何!?


小さいジェイソン!?


目が開けられないうちは正体不明だ。


聞き慣れない音が、無気味に途切れ途切れに唸りを上げる。


もうダメだ。


今はマスカラを完全に落とす事よりも、目を開ける事が先決だ。


意を決した私は勢いよく顔をすすぐ。


バシャバシャという水の音にも、『ブーッ』という音は、いたずらに紛れ込んで来る。


メイクは落ちた。


いよいよ目を開ける。


音のする方を見る。





洗面台に置いてある小箱からだった。


何かが動いている。

音に合わせて振動している。


一体何なのか…!?













旦那さんの『鼻毛カッター』でした:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


接触が悪くて勝手に動いたり止まったりしていたようです…。


めでたしめでたし
┐(´ー`)┌