前回の続き


横を見た瞬間、冷蔵庫(業務用の大きいやつ)が半開きになっており、その隙間から明らかに「人間の頭部」と

思われるものが見えていました。


というのも、髪の毛らしきものが見えていたそうです。


思い切ってドアを開けようとした瞬間


「あんた、何やってんの?」


と、背後から声が。


振り返ると、いつもゴミを捨てていた若いやつが立っていました。


とっさにデジカメをポケットに隠し、


「ゴミの事で話があって…」


と切り出しました。


「ゴミ?」


「毎週日曜日にゴミを捨ててるでしょ」


「あ~、それが何?」


「いつもゴミ捨て場から変な液体が(ここでは血という言い方はしなかった)流れているんです」


すると男は少しだけ黙った後


「あ~、ちゃんと口がしまってなかったんかな~。次から注意しますね」


「すみませんけど、お願いします」


といいその場所を離れ自分の店にもどりました。





彼が「血」と言わなかったこと、すぐにその場から去ったのには訳があります。


若い男と話している時、入ってきたドアが少し開いているのに気がつきました。


ただ、そこにはいつも車の前でタバコをすっていたい男が立っており、入ってくるわけでもなくじっと彼を

見ていたそうです。


外に出る場所がそこしかない為に「血」という言葉を使うと、もしかすると生きて帰れないと思ったそうです。


実際に彼が外に出て店に戻るとき、その男は車の中におり、じっと彼を見ていたそうです。



彼はやっと一人では危険だと気づき、警察に相談しに行きました。


しかし警察は「あなたの推測で警察が動けるわけがない」と言われ帰らされました。


仕方なくビルの管理者に「苦情」という形で申し出て、後日管理会社の人間と一緒にゴミ捨て場を見に行きました。


日曜日のいつもの時間帯に管理会社の人間とゴミ捨て場に行きましたが、彼らの姿はなくゴミも捨てられていませんでした。


後で管理会社の人間に聞いた話ですが、2階はもともと飲食店をしていたそうですが、数年前から営業はしていなかった

そうです。


しかも貸しているのは大阪の人間で東京の人間なんかには貸していないそうです。


気になったので貸している人間に電話をしたらしいですが、一向に連絡が取れなかったらしいです。


一応現場を見に行ったらしいですが、中は奇麗に掃除されており、調理場の中の荷物もなかったそうです。



僕の友人は決して嘘をつく人間ではなく、またこんな話を考えられる程頭もよくありません。


この話は約3年前の話です。


ただ、つい最近店の前に足立区ナンバーの車が停まっていたそうです。


さすがに恐ろしくてビルにも車にも近づけなかったそうです。


本当に死体だったのか?それともただ単に豚や鳥の死体だったのか?


今となってはわかりませんが、僕は知らない方がいいと思います。


※ノンフィクションですから


THE END