私と悠の2人だけで入院手続きをした。
手首に入院患者である記しにベルトを巻かれ、名前と生年月日が書かれていた…
もう逃れられない…そう感じた。
エレベーターに乗り6階で降りる。
看護師さんに案内され、2人ともある空き室に通された。
しばらくして担当医の女医さんが私達の前に座る。
「今回の中絶に関しての説明と、同意書の記入をお願いします。」
淡々と話を進める先生。
「わかりました…」
そう言ってサインをする悠。
私は説明を聞きます②不安と恐怖心が高まる。
そんな思いはお構いなしに話は進む。
入院する部屋に案内される。
6人部屋の右側の入り口1番手前のベットだ。
「よろしくお願いします。」
同室5人に挨拶をする。
「「「よろしく。」」」
みんな声を揃えて返してくれた。
産婦人科であるが、この部屋はみんな出産ではなくそれぞれ病気の患者さんが入っているようだった…
私はベットに座り、荷物の整理をした。
悠も手伝ってくれる。
悠がそばにいてくれる事が何よりの支えだった…
しばらく2人でいると西村のおばさんが来た。
「大丈夫?具合は悪くない?お腹の子の始末はいつに決まった?」
「…明日です。」
そう答えたがおばさんの言葉…始末って言葉が引っかかった。
始末って何?…
そう感じたのは私だけじゃなかった。
「2人だけで大丈夫ですから…」
悠がボソッと言った。
「あ!!そう?じゃあおばちゃんはまだ仕事あるから行くね」
そう言ってさっさと帰って行った。
「柚木…さっさのおばさんの言葉聞いたか?」
「うん…悠も思った?」
「あの言い方はあんまりだろ…始末って…」
「うん…物じゃないのに…悲しいね…」
「うん…」
しばらく2人とも何も話せず沈黙が続いた。
すると…
「七里さん、処置室に行きましょうか?」
看護師さんがやってきた。
「はい…」
私は悠に目を向け、行ってくると言った。
悠も頷き、処置室の近くまで見送りに来てくれた。
私は処置室に入る。
産婦人科と変わらない診察台の椅子が置かれている。
「はい、そこにショーツを脱いで座って下さい。」
私は言われるがままに従った。
しばらくその体勢で待つ。
上半身はカーテンがかかり、カーテンの向こうは誰が何人いるかわからない。
しばらくするとドアが開いた音がし、足音がパタ②と聞こえた。