本田 博太郎(ほんだ ひろたろう、本名;本田 博史、1951年2月8日 - )は、茨城県水戸市出身の俳優・書家。日本大学卒業。特技は剣道と柔道。 長男は俳優の本田大輔。マツ・カンパニー所属。
来歴・人物
高校卒業後上京、文学座演劇研究所を経て劇団青俳に所属。その間様々な職業を務めた。
1979年の蜷川幸雄演出の舞台『近松心中物語』で、公演中突然腰を痛めたため降板した平幹二朗の代役を、当時無名の本田が次の日の公演から主役をやり遂げ、さらに29歳という当時の「帝国劇場」での最年少座長記録も同時につくり、一躍脚光を浴びる。
また、蜷川演出の『ロミオとジュリエット』でゴールデン・アロー賞(演劇新人賞)を受賞した。
1980年にはたのきんトリオ出演の『ただいま放課後』の熱血教師役ドンガメ先生(寺泉哲章=寺泉憲とのダブル)を演じて、世間的にも知られる俳優となった。
また、このころまで多く存在した“新劇出身アイドル”的な位置におさまりかけるが、次第に悪役や喜劇的な役柄にシフトした。
1981年には工藤栄一に認められ、テレビ『必殺仕舞人』・『新・必殺仕舞人』に主演メンバーとして参加した。その後も映画・テレビ・舞台と幅広く活躍し、現在では日本映画界・テレビ界には欠かせない「名バイプレーヤ・脇役」になっている。
晩年の岡本喜八監督に気に入られて、利重剛と共に「喜八一家」最終メンバー的な存在となり、監督の葬儀告別式では司会進行を担当した(生前の岸田森に『喜八一家メンバー心得』的なアドバイスを受けている)。
現在に至るまで金子修介監督とも付き合いが長い。またその渋い声によりナレーターを務めることもある。
奥山佳恵を見ながら涙ぐんで上半身裸になる男性を演じたアコム、オダギリジョーと共演したライフカード等のCMにも多く出演している(ライフカードのCMは俳優の名前を実名で呼ぶ伝統があるが、彼はこの伝統を破り役名をつけられた初の俳優でもある)。
その硬軟を演じ分ける芸風は、彼の名を冠した曲『本田博太郎』を唄う、劇団大人計画から派生したロックバンドグループ魂に取り上げられ、同曲のPVにも、ノリノリで撮影、出演に応じてその八面六臂ぶりを遺憾なく発揮した。
『時をかける少女』(南野陽子主演版)、『君の手がささやいている』などいくつもの作品で父親役を演じているが、『エラいところに嫁いでしまった!』ではユニークな父親役を務めた。
俳優としての自分の出演作品の毛筆題字を数多く手掛け、最近では書家としても活躍して活動の幅を広げている(2012年2月7日放映NHK スタジオパークからこんにちわより)。その一環として、時代劇『髪結い伊三次』(フジテレビ系)の題字を書いている。
エピソード
1979年の舞台『近松心中物語』で平幹二朗の代役に大抜擢される前は全く芽が出ず、その時には既に子供が3人いたのでこの舞台を最後に俳優を辞め、郷里に帰るつもりだったと、抜擢で注目された際の新聞取材で語っていた。
1993年9月20日に『笑っていいとも!』のテレホンショッキングにゲスト出演した際、本田の元に「電話帳にして4冊分」という大量の電報が届いた。原因はニッポン放送のラジオ番組『伊集院光のOh!デカナイト』の企画で伊集院光扮するキャラクター「マドモワゼル詐欺」が「9月20日の月曜日に、『笑っていいとも!』のテレホンショッキングで、誰それ関係無くゲスト宛てに電報が激増する」という予言(という名目のリスナーへの煽り)を出したためである。本田の娘がこの番組のリスナーだったため事情が本人の耳に入り、本田が伊集院の番組に直接電話をかけた。伊集院は非常に萎縮し謝罪するが、本田がとても洒落のわかる人だったので大問題にはならなかった。その後番組ディレクターの提案でゲストとして呼ばれ、本田を褒め称える放送が行われた。
普段の本田は愛妻家で、愛犬家。
1998年頃、壺や陶器の収集に熱中、本人曰く「製作者が壊したくなるような歪な作品が好きで、高価そうな作品や、スタイリッシュな物には興味が無い」と言っている。
主な出演作
映画
性と愛のコリーダ(1977年) - 奥田茂夫 役
団地妻・雨やどりの情事(1977年) - 園部 役
襲え!(1978年) - 杉田 役
宇能鴻一郎の看護婦寮(1978年) - 吉田昭 役
暴る!(1978年) - ガソリンスタンドの店員 役
英霊たちの応援歌(1979年) - 本田耕一 役
四季・奈津子(1980年) - 中垣 役
近頃なぜかチャールストン(1981年) - 中町刑事 役
逃がれの街(1983年) - 牧村刑事 役
ジャズ大名(1986年) - 鈴川門之助 役
幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬(1986年) - 安岡嘉助 役
必殺4 恨みはらします(1987年) - 杉江伊織 役
竜馬を斬った男(1987年) - 桂小五郎 役
はいからさんが通る(1987年) - 鬼島軍曹 役
極道渡世の素敵な面々(1988年) - 庄司文也 役
この胸のときめきを(1988年)
悲しきヒットマン(1989年) - 小池豊和 役
女帝 春日局(1990年) - 大久保忠隣 役
激動の1750日(1990年) - 伊達 役
大誘拐(1991年) - 高野 役
新 極道の妻たち(1991年) - 重田 役
就職戦線異状なし(1991年) - 雨宮重明 役
修羅の伝説(1992年) - 富沢 役
パ★テ★オ(1992年) - 佐藤 役
子連れ狼 その小さき手に(1993年)
民暴の帝王(1993年) - 中江清正 役
大阪極道戦争 しのいだれ(1994年) - 毒島 役
集団左遷(1994年)
119(1994年) - 分署一班隊長・出川 役
ひめゆりの塔(1995年) - 高嶺孝四郎 役
ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年) - 斉藤審議官 役
地獄堂霊界通信(1996年) - 地獄堂店主 役
Shall we ダンス?(1996年) - サヨナラパーティ司会者 役
シャブ極道(1996年) - 浦島刑事 役
柘榴館(1997年) - 立花隆二 役
北京原人 Who are you?(1997年) - 北京原人 役
陽炎4(1998年) - 藤崎慎二 役
大怪獣東京に現わる(1998年) - 田所継男 役
ガメラ3 邪神覚醒(1999年) - 斉藤審議官 役
鉄道員(ぽっぽや)(1999年) - 坑夫 役
DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年) - 奥山 役
お受験(1999年) - 本多社長 役
必殺! 三味線屋勇次(1999年) - 浜町の浅吉 役
どら平太(2000年) - 伝吉 役
極道の妻たち リベンジ(2000年) - 野崎武雄 役
仮面学園(2000年) - 菅原刑事 役
千年の恋 ひかる源氏物語(2001年) - 桐壺帝 役
man-hole(2001年) - 鈴木肇 役
ショコキ!(2001年) - 関根純三 役
凶気の桜(2002年) - 兵頭秀次 役
助太刀屋助六(2002年) - 堀田某 役
半落ち(2004年) - 辻内裁判長 役
下妻物語(2004年) - 組の兄貴分 役
デビルマン(2004年) - 飛鳥教授 役
タッチ(2005年) - 津川英二 役
男たちの大和/YAMATO(2005年) - 古村啓蔵少将 役
仮面ライダー THE FIRST(2005年) - 秘書官 役
カミュなんて知らない(2006年) - 中條教授 役
嫌われ松子の一生(2006年) - 本田博太郎 役
劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE(2006年) - 加賀美陸 役
大奥(2006年) - 新井白石 役
それでもボクはやってない(2007年) - 三井秀男 役
愛の流刑地(2007年) - 久世泰西裁判長 役
大帝の剣(2007年) - 霧の才蔵 役
黄色い涙(2007年) - 貞吉 役
眉山-びざん-(2007年) - 綿貫秀雄 役
陰日向に咲く#映画(2008年) - 劇場のオーナー 役
能登の花ヨメ(2008年) - 山田信之助 役
次郎長三国志#角川版(2008年)(2008年) - 津向の文吉 役
TAJOMARU(2009年)- 所司代 栗山秀隆 役
鈍獣(2009年) - 編集長 役
ゼロの焦点(2009年)- 青木 役
獄(ひとや)に咲く花(2010年)
君が踊る、夏(2010年) - 野上健一郎 役
桜田門外ノ変(2010年) - 桜岡源次衛門 役
パーマネント野ばら(2010年) - みっちゃんの父親 役
DOG×POLICE 純白の絆(2011年) - 佐久間警備局長 役