『おきて…真白、おきて!』
頭に響く声を聞いて真白は、ゆっくりと目を開けた。
「なんだよ、人の昼寝ジャマするのは。」
昼寝をしていた中庭を眉間にしわをよせて見回す。また、頭の中に声が響く。
『そんなこと言ってる暇ないの!早く!』
「は?………っ!」
その瞬間は、嫌な気配を察知する。
「敦!!」
弾かれたように走り出す。
「おい、何が敦を襲ってる!?」
頭に響く声に問う。
『はっきりとは分からないけど、何か怨念の塊みたいな物』
「敦の状態は。」
『正直かなり危険』
「あーもう、何でさっさと起きなかったんだよ俺は!」
ダンッ!凄まじい音を立ててまたスピードを上げる。非常階段をのぼりながら電話をかける。
「もしもし、赤司か!?緊急事態だ!屋上に集合!」
相手の返事も待たずに通話を切る。
そして、目の前にある屋上に繋がるドアを蹴破る。
「あーもうどうしてこうなった。」
そこには、頭を抱えてうずくまる紫原の姿と
それを包む真っ黒いもやと紫原に絡みつく腐った手があった。
ゆっくりと紫原が顔を上げる。その目が真白を捉えると絞り出すように
「白…ちん、たすけて。」
そう言った。
「…闇喰い」
地の底から響くような低い声でぼそりと呟き、左手を上げる。
黒光りする太い六角形の金棒が握られた。
真白の額には、銀色の二本の角が音もなく伸びる。
「覚悟はいいか」
その声を皮きりにぶわりと数十本の腐った手かま真白に襲いかかる。
真白は軽く金棒を振った。
ブジュリ
水音をさせてボトボトと地面に手が落ちる。しかしもやは更に何十本もの手を伸ばす。しかしもうすでに真白の姿はそこにはなかった。
金棒でもやを貫き、地面へと縫い付けていたから。
そして、敦の服を掴みもやから引き剥がして抱きかかえる。途端に暴れ出すもやに向かって。
「うるせえ」
と一言、握っていた金棒にクッと力を込める。バチンと音がした途端もやはパタリと動かなくなった。
「僕達を呼ぶ必要は無かったようだか?」
後ろから声が聞こえた。
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一旦切ります。
