先月増税前の駆け込みで書籍を何冊か買い込みました。
そのうちの一冊が育児書で昨年発売されすでに13刷というなかなかのベストセラーであるこちら。
著者は日本小児科学会会長で慶大医学部教授。
カウンセラーや教育関係者が書いた育児書はよく目にするものの、小児科の医師が
育児書を上梓するなんてめずらしい、いったいどんな内容だろうと興味がわいて購入。
読了後の感想は
・ 臨床経験にもとづいたエピソードの迫真性はこの著者ならでは
・ 多くの母親が日々悩みがちなことは、よくも悪くも『そんなに気にすることはない』
というスタンス
「脳の形や機能を作り上げていく遺伝子の力はとても強く、安定しています。だからこそ、
本来であれば子宮の中で過ごしているはずの期間に、NICUのような人工的な環境で育ったとしても、大事な部分はしっかりと育まれていくのです。」
「母乳がでなくて…と憔悴しきった顔で相談されることがあります。ぼくは「母乳がでないなら、ミルクでいんじゃないですか。」とあっさり返してしまうのですが、赤ちゃんをうんだばかりのおかあさんは真剣に悩んでしまいがちです。」
「はっきりお伝えしましょう。親が「勉強しろ」と口やかましく言えば言うほど、逆効果になることがほとんどです。」
「ぼくは「学校の成績がいいか悪いか」は「おしっこが濃いか薄いか」くらいの差だと思っています。」
「英会話を子どもに習わせたいのは、実は親が英語をしゃべれないからだったりしませんか。」子どもに「英語力をつけさせてあげたい」と思うなら、まずはご自身から。」
「子どもの心はやわらかく素直なので、いちばん身近にいる母親に否定されたら、
そこにあったはずの自己肯定感を一時的にせよ見失ってしまうのです。」
「子どもに寄り添った言葉がけが、共感力を育むことを知っておいてください。」
この本のとおりいつも泰然と構えていられるかは自信ありませんが、保活では同書を参考にして英会話教育の有無については気にせず選ぶことにしました。
小児科医として治療の現場で接した子どものエピソードが後半にたくさん出てきますが
子どもの無垢な心の輝きには感動して柄にもなく(笑)涙してしまいました。
医師というめずらしい切り口とさわやかな読後感はおススメポイントです。