*毒吐きます。嫌な人は見るべからず。










*制止を振り切って読んじゃおうとしているそこの歌い手さん!不快に思っても俺は知りません。ただ正直者なだけで悪気はありません。
ただ、人の名誉に関わるネタなので人名地名は基本イニシャルでお送りします。









今日は母校(イニシャルだとわかっちゃうから)で伴奏合わせ及び今度演奏会で伴奏する超難しい日本歌曲の伴奏譜の譜読みをしていた。

しかし私にはやるべきことがあった。
リサイタルの曲の暗譜。

伴奏譜の譜読みだけで5時近くになってしまったので、事務に行き休日入校届に名前書いて学校を出た。

余談だが、母校は日曜日休日入校届に記入がないと入校できない。

春休みだろうが関係ないのだ。

しかし春休みと言うことで、これからやって来る日曜日全ての分の休日入校届がおいてあった。

『必ず入校する学生のみ記入すること!!』と、そこには書いてある。

知るかそんなもん。
日曜が何日かそんなのわかんないのでとりあえず全ての日に記入してきた。
日曜は多分そんなに大学行かないと思うけどねw
男は「何日は行ける…何日は行けない…」なんてせせこましく手帳を開くもんじゃない。
そんなちっちゃいルールなんぞ破ればいい。
それだけだ。

話を戻そう。
今日昼飯を食うタイミングを逃しており空腹だった俺は久々にチーズ揚げを買うことにした。
(唐揚げも買ったと言うことは言うまでもないであろう)

そして、江古田にもうひとつある某音大(イニシャルだとわかっちゃうから)の練習室をうろつく。





2階…





あいてない…
仕方なく、3階への階段に足を踏み出した。










お待たせしました!
ここからが本題です!
ではでは~。










階段を登り終えた私は、練習室から聞こえる歌声に足を止めた。

そこには、母校に以前在籍し、あのやる気のないKマエストロがさすがに心配したと言うテノールSを彷彿とさせる、素晴らしい美声!!





とは程遠い呻き声。
そして、神がかり的な、いや、もはや神かもしれないと思わせる音程の悪さ。

しかし、そんなことに気を取られてはいられない。
とりあえず部屋の確保だ。
幸運にも手前から2番目の部屋があいていた!しかもグランド!

しかし、なんということだ!
部屋に入ると、声は壁を隔てて隣から聞こえて来るではないか!

私は、「まさか、S…?」と思い、隣の部屋の窓をのぞきみた。

しかし、そこにいたのは、Sよりも背が高く、Sよりも痩せた、例えるならば日芸のNo.1ホストRを彷彿とさせる容姿だった。顔はどうかわかんないけどね。意外と私似だったりしてw

とりあえず私は部屋に戻りメタボリック学院の試合を観戦しつつ、チーズ揚げと唐揚げを食べることに。

聞こえてくる歌声は、(多分)後宮のアリア。
彼、いや、名前で呼んであげよう。
少年A君。略して少年。
うむ、いい名前だ。
少年は、Aの音に苦戦していた。

私は思った。

「その発声じゃ出ないよ。喉があいてなくて、下の支えも全くない。しかも鼻にかかって鼻づまりみたいになってるし、センスのかけらもない」

そこでふと私は考えた。

誰か、知り合いで似たような声の人がいた。

よく知っている人だ。





誰だ…





誰だ…





誰だ…





空の彼方に踊る影…




白い翼の…




!!





私だ!
それは私だ!
私の、大学時代の声楽発表会を録音したCDから聞こえてくる、あの声だ!

し、しかし…

決して私を過大評価する訳ではない。
少年を過小評価する訳でもない。

多分、私の方が2、3点は上だろう。

それはさておき、試合は進む。食も進む。

おっ!
歌が変わった。

ドンジョヴァンニのアリア、Dalla sua paceだ!





下手だ…下手すぎる…
歌の門下の問題児Kの方が数段うまい…




さて、そろそろ弾こう。

私はマズルカの暗譜に取りかかった。

ピアノを弾いてしまえば、もう声は聞こえない。

ふぅ…終わった。

隣では少年が、ヘンデルのメサイアのテノールの序盤のアリア(なんとかヴァリー)の転がる部分をさらっていた。

転がっているのは音でなく少年の頭の中だ。

そんなことはまだいいから、発声を直しなさい。

続きまして、愛の妙薬よりQuanto e bella。

相変わらず発声も音程もひどい…





!!





音間違ってる!
歌の音はもちろん、ガイドで叩いてるピアノの音自体が間違ってる!
少年の目には、レはファと読めるのであろうか!

少年!そんなアリアを歌う前に頭を直しなさい!

あぁ…カデンツァも間違ってる…

ドシレドシがシドレドシになってるよ…

いたたまれなくなって私はピアノでドシレドシと強く叩いてあげた。
この思いが、バラ色の翼に乗って彼に届けばよいのだが…





届かなかった。
聞こえてきたのは、シドレドシ…





かなりの疎外感を受けたので、気を取り返してワルツの暗譜にとりかかった。

おわった。

彼は相変わらず愛妙を歌っていた。

終わった。

少しの空白の後、私は雷に打たれた。





インヴーンデル…





!!!!!!!





し、しじんのこいだぁ~!!

やめろ歌うな!
あの高貴な曲を歌うな!
シューマンに失礼だ!
お前が歌う曲じゃない!
今すぐやめろ!
もう歌をやめろ!むしろ生きてることをやめてもいいんだぞ!

あぁ、ワンピースに出てきたネガティブゴーストを少年に放ちたい…
あの剣豪ゾロが「生まれてきてすいません…」と言ったあのゴーストを…

陽気に歌いやがって…
曲が腐る…
でも昔俺もやってた…俺、生きててすいません…





謝ったところでノクターンの暗譜。

終わった。

少年はメサイアを歌っていた。

もういじる気力もなくしたので、バラードを一度弾いて某音大を出た。

いや~、テノールは一番映える反面、下手なのが一番良く分かる声種なんですよ。

私もテノールなんでよくわかります。

それにしてもひどかった。

母校にも、一筋の光が立ちました!