苦労しているけど、支援につながらない
軽度知的障害や境界知能の子は勉強面で苦労する場合が多いのですが、それがきっかけとなって支援につながるかというと、そうとは限りません。
「勉強が苦手」ということで、医療機関に相談にくる家庭は多くないのです。
子どもが、「授業の内容が分からない」「授業中に指名されたとき、うまく答えられない」「先生の指示を聞き逃して、出遅れてしまう」といった場面を何度も経験して困っているのであれば、地域の教育相談窓口や医療機関に相談してもいいのですが、その段階で支援につながるケースは少数です。
子どもが心身の調子を崩したり、不登校の状態になったりしてから、初めて相談窓口を利用するケースのほうが多くなっています。
この記事を読んで、気付いてない場合や認めたくない親もいると思いますが、最終的に困るのは『自分の子ども』だということは、忘れないで判断してほしいです。
相談して違えば塾に入れても良いし、境界線ならその子のペースで学習できるようにして、その先をイメージして中学はどうするか、本人と相談して決めれば良いと思います。
通学するのは、親ではなく子どもだから。
境界線知能の子は、クラスに5人前後いると言われてます。
例えば、IQでなら85〜75だと出来る出来ないの幅も違いますし、3年生まで勉強はそれなりでも4年生からは「?」になる子も多いです。
IQ85ならギリギリ覚えられる九九も、80だと難しいです。75だと、かなり厳しいです。。。
息子君の学校でも、学校内の九九検定に受かってない子は、7人いる事実。3年生の終わりに九九がマスター出来てないのは、IQ80以下の可能性もあるかもしれません。
努力の問題なら、まだ練習すれば出来るかもしれません。この時点が、1度相談する目安にしても良いかもしれません。
先学習していると、算数は4年生から同時処理がかなり必要になります。概数や単位変換も難しい。
5年生の分数なんて、かなりハードル高いです。処理速度が普通でも、慣れるまでは時間がかかります。
分母を合わせる、最小公倍数、通分、約分…。
計算問題でも、時間かかります。同時処理のオンパレード。かけ算と割り算や倍数の意味を100%理解してないと、解けません。
勉強は、知識の積み重ねですから、忘れやすいいワーキングメモリーが弱い子は工夫は必要です。
うちも、短期記憶を長期記憶に置き換えるまでに時間がかかる単元もあるので、先学習は苦手に早く気付くので続けてます。
境界知能とは、
一般的にIQが71以上85未満で
知的障害(知的発達症)の診断が出ていない方に対して使われることのある言葉です。
★自治体によって、軽度知的の判断目安の数値が
違いますので、ご注意ください。
「勉強が苦手なだけでは相談できない」という誤解
そうして相談にこられた親御さんと話していると、「勉強が苦手なだけでは、こういうところで相談できないと思っていました」と言われることがあります。そして、以下のような話になります。
「授業についていけないのは、本人の努力が足りないからだと思っていた」 「勉強時間を増やして、みんなに追いつけるようにしなければ、と焦っていた」 「親が宿題をみるようにして、家庭学習の習慣をつけてきた」 「この問題は、家庭内の工夫で解決していくことだと考えていた」 「でも時間をかけてもうまくいかなくて、困っていた」
このように「勉強ができないのは努力不足であって、人に相談するようなことではない」と考えるのは、大きな誤解です。
いろいろと工夫をしてもうまくいかなくて困っているのであれば、「勉強が苦手で困っている」ということを相談してもいいのです。