★2Eの特徴★
WISC-IV検査では、4つの指標から総合的な知能「FSIQ(全検査IQ)」を測定します。
これらの指標が全体的に高く、総合点=FSIQも130以上である場合は、発達障害の側面を持たないギフテッド(=英才型ギフテッド)となります。
一方、FSIQが130以上であるものの、各指標の得点のばらつき(ディスクレパンシー)が大きく、発達に凹凸があると考えられる場合は、ギフテッドと発達障害の両方の側面を持つ「2E型ギフテッド」となります。
各指標の得点のばらつきのことは「ディスクレパンシー」と呼ばれます。このディスクレパンシーが15~20以上の場合、発達障害の可能性が高いという説もありますが、IQは高いほどディスクレパンシーは大きくなる傾向にあるため、数値のばらつきが大きいからといって必ずしも心配する必要はありません。
WISC-IV検査の場合、各指標の平均値は「100」となるように設定されています。ディスクレパンシーが大きくても、100を下回る指標が無い場合はそれほど気にする必要は無いでしょう。
ただし、ある指標は100を大きく下回り、ある指標だけが突出して高い場合などは、2E型ギフテッドに該当する可能性を考えても良いかもしれません。
特に、4つの指標の中でも「処理速度」や「ワーキングメモリー」が突出して低い場合は、日常生活の中でも困りごとを抱えやすい傾向にあります。
言語理解はいわゆる国語の力、知覚推理は算数の力であり、これらが多少低くても一般的な生活の中で大きな困りごとを抱えることはあまりありません。
一方、処理速度やワーキングメモリーは「集中力」「判断力」「思考力」といった生活一般で必要となる力であり、これらが低いと集中しづらかったり、情報を取捨選択して処理するスピードが遅くなったりして生活上の困りごとを抱えることが多くなります。
ここからは長いので、時間ある時に読んでくださいね。
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これは、スタンフォード大学の研究ですが、IQ135以上の天才児1528名を60年にわたって調査した結果、ほとんどは実社会でそれほどの成功を収めていないことが分かりました。
研究を担当したルイス・ターマン博士は、天才達を長年に渡ってサポートしてきたそうですが、大多数が「普通」と呼ばれる職業につき、期待はずれの仕事をしていたそうです。
しかもサポートしなかったIQの高くない二人が、なんとノーベル賞を取ってしまったそうです。
世界的にも面白い傾向があって、例えば、IQが世界で高い国や地域は、1位が香港で、2位が韓国、3位が日本、イギリスは12位、米国は19位なのですが、実はノーベル賞受賞の数が圧倒的に多いのは米国とイギリスで、日本は6位となっています(人口を加味したとしても、不思議と香港や韓国は上位にはランキングしません)。
十で神童十五で才子
二十過ぎれば只の人
子供の頃には神童といわれた者も、多くは、長ずるにしたがって並の秀才となり、大人になるころには凡庸な人間になってしまう。
『才一巧亦不二』 芥川龍之介
ヴオルテエルが子供の時は神童だつた。
処が、或る人が、 「十とをで神童、十五で才子、二十はたち過ぎれば並なみの人、といふこともあるから、子供の時に悧巧りかうでも大人おとなになつて馬鹿ばかにならないとは限らない。だから神童と云はれるのも考へものだ」と云つた。
すると、それを聞いたヴオルテエルが、その人の顔を眺めながら、 「おじさんは子供の時に、さぞ悧巧りかうだつたでせうね」と云つたといふことがある。
これと全然同じ話が支那にもある。 北海ほくかいの孔融こうゆうが矢張やはり神童だつた。 処が、大中大夫だいちうだいふ陳ちんゐといふものが矢張やはり、 「子供の時悧巧りかうでも大人おとなになつて馬鹿になるものがある」 と云つたのを孔融こうゆうが聞いて、 「あなたも定めて子供の時は神童だつたでせう」と云つた。
孔融こうゆうは三国さんごく時代の人であるが、この話が十八世紀のフランスに伝はつて、ヴオルテエルの逸話になつたとは考へられない。すると、神童といふものは、期せずして東西同じやうに、相手の武器を奪つて相手をへこませることを心得てゐるものとみえる。
(大正十四年九月) ※ネットより