去る1月23日、衆議院は解散され、早くも明日には衆院選の公示となる。本来であれば、来たる2月8日の投開票を前に、諸君と意見を交わし合う「多事争論 暴論サミット」を行いたいのであるが、年度の授業終了後となる今回ばかりはその時間的余裕もないため、私の考えるところを数点、書き留めた次の記述を公示前の今(ウェブにおける公示後の政治運動は、公職選挙法上、認められないため)諸君に提示する。尚、昨年7月の参院選に合わせお配りした「参院選直前 105分ぶっ通し 多事争論 暴論サミット」(以下、「参院選直前」と呼称)は勿論、一昨年10月の衆院選に合わせお配りした「衆院選直前 105分ぶっ通し 多事争論 暴論サミット」(同、「衆院選直前」と呼称)や高市政権発足に合わせものした「高市政権非服従宣言」(同、「非服従宣言」と呼称)も今回の衆院選の参考になると考える。どうぞお目通しいただき、自らの考えを深める一助となればと思う。
★ 私の雑感あれこれ ★
① 今回の衆院選に「大義」はある
このところ、嘘八百を垂れ流す翼賛メディアは、しつこいほどに今回の衆院選に「大義」はない、と口にする。とはいえ、授業中に繰り返し指摘したように、此奴らの論調の一致は、事の本質を隠す目眩ましに過ぎない。抑、衆院選後に開会される特別会における首班指名は記名投票により行われる。これは、議院内閣制における内閣成立に関する責任の所在は衆議院議員にあることを示すものである。ゆえに、新議会における比較第1勢力の担いだ内閣の崩壊した場合、衆議院議員は、その成立にたいする責任を負う以上、自らの過去の議決行動にたいする主権者の審判を仰がなければならない。いわゆる憲政の常道の言わんとするところは、比較第2勢力にたいする行政権の移譲をもってして選挙管理内閣とせしめ、主権者による新たな主権附託に基づき後継内閣は成立するという、議院内閣制を採る代議制民主政治のありようそのものではなかろうか。
② 矢庭に訪れた合従連衡は穏健保守の暁光となりうるか
今回の衆院選に際し、長きに亘り自民党の小判鮫だった公明党と本音自民党支持の立憲民主党は、新たに「中道改革連合」を結党するに至った。国民政党には遠く及ばないだろう(また、そうなるつもりもないだろう)新たな自民輔弼勢力の産声は、あの30年も昔の、衆院選ただ1度きりの徒花に終わった新進党を彷彿とさせる。ただ、近く分裂は避けられぬとはいえ、仮初にも穏健保守勢力は一応の合同を見た。これは、四分五裂の末に票の食い合いは必至の野党面した反共右翼勢力にたいする一矢とも言えなくはないだろう。中道改革連合は、行き場を失った穏健保守の受け皿となれるだろうか。
③ われわれは教条主義的左派を必要としない
新型肺炎の馬鹿騒ぎ、地球温暖化、ウクライナ、ガザ、ジェンダー……。次々に繰り出される体制側のこうした安っぽい嘘に惑わされ、煽られ、そして乗せられる醜態を今尚晒し続ける教条主義的左派の二言目には口にする錦の御旗たる「市民とともに」は聞けば聞くほど空しく感じられる。この者どもの言う「市民」とは、この者どもの縋る教条に共感する者だけを指すのだろう。自らを反体制の志士と考えるこの者どもの思考は、自らに膝を屈める者だけを「国民」と言い切る体制側のそれとどう違うと言うのだろうか。
④ 店仕舞の山本商店に最早望みはない
れいわ新選組は、言うなれば山本太郎商店である。良くも悪しくも、店主(代表)山本の有する類稀の求心力こそ、同党の唯一の売りであり、またそれが同党の帰趨を左右することは言を俟たない。とはいえ、山本は参議院議員を退職し、今回の衆院選の矢面には立たないと言う。はっきり言おう、共同代表を名乗る櫛渕にも大石にも山本の持つこうした魅力はなく、また彼女達にそれを求めるのもどだい無理だろう。これに加え、時代はリベラルを必要としない。反原発を高らかに宣言し、テレビ・タレントの座に固執せず政治に身を投じた山本に穏健保守はあまりにも冷たくし過ぎたことが悔やまれてならない。
⑤ 消費税減税は真の争点にあらず
今回の衆院選の争点は消費税減税にある、と叫ぶ翼賛メディアの姿はじつに醜悪至極だ。
高市首相も食料品消費税ゼロを検討加速、選挙での争点回避を狙ったか?
(後略)
(2026年1月21日 BS日テレ 深層NEWS)
解散前夜に争点を問う、(中略)与野党横並びの消費税減税…(後略)
(2026年1月22日 BS-TBS 報道1930)
(前略)消費減税が本当に争点?(後略)
(2026年1月23日 BS-TBS 報道1930)
消費税減税を争点だと思わせるために、遮二無二そう口にし続ける此奴らの戯言の裏にある、今回の衆院選の真の争点とは何か、また自民党広報紙の讀賣新聞の言う「検討加速」の言わんとするところは何か、よく考えられたい。
★ 「人を見極める目を養う練習」の補足 ★
先にお配りした「参院選直前」に示した一端の言論人風情に次の面々を加える。
堤伸輔 ジョセフ・クラフト
★ 「衆院選直前」「参院選直前」「非服従宣言」に示した主題について ★
「翼賛メディアの浅ましい嘘を見抜く練習」と題し、上記「衆院選直前」「参院選直前」「非服従宣言」に示した主題は、今回の衆院選に際し、此奴らのまたぞろ用意するボートマッチ(votematch)に示されるだろう設問の大半に適応しうるものと考える。ただ、今回は、近隣諸国にたいする敵愾心とその反面とも言える民族至上主義を煽らんとする設問の多くなるだろうことは容易に考えられよう。だからこそ、諸君には眼前の現実を冷静に且つ冷徹に見つめつつ、自らの考えを深めてほしいと切に願う。なぜならば、高市ら反共右翼の口にする威勢の良い言辞の犠牲となる(下手をすれば犬死にする)公算の最も大きいのは、諸君のような青年少女達なのだから。
★ 結 語 ★
今回の衆院選は、
民族の命脈を懸けた反共右翼と穏健保守の血塗ろの闘い
、これに尽きるだろう。高市ら反共右翼は、最早時代遅れとなった従来の「常識(=英米による覇権)」に固執し、目下の趨勢たる多極的世界に背を向けた挙句、国民にどれだけの貧困を齎そうとも、自らの発する勇ましい言辞にただただ酔いしれるだけだ。われわれは今こそ、眼前の現実に目を向け、またそれを受け入れ、善隣友好を旨とする穏健保守の精神を共有し、互いに手を取り合い、もって高市ら反共右翼による国民生活の破壊に否定の意志をきっぱりと突きつけ、わが民族の命脈――われわれの生命と暮らし――を守ろう。