今回、一泊2日の入院・手術でかかった費用は、46,000円ほど。
2人部屋だったので差額5,000円も含まれる。
術後はフラフラして大変。と聞いていたけど、私は腹痛も吐き気も何もなく案外元気でしっかりした足取りで帰路へついた。
途中、カフェでケーキを食べ、タクシーを利用した。
また日常が始まる。
病室に戻り、荷物をまとめ帰宅の準備をする。
看護婦さんたちには本当に感謝。
辛い思いをさせてごめんなさいね。
とまで、言われた。

深々とお礼を伝え、エレベーターを待った。
エレベーター前では新生児室が。
あー胸が痛い。新生児可愛いよね…
チラッと見て、病院を後にした。

3時になり、診察に呼ばれる。
トイレを済ませるが、その時は生理2日目くらいの出血が始まっていた。
内診を受け、診察が全て終わった。

生理はいつくるんですか?
どういったことに気をつけて生活したらいいですか?と質問し淡々と医師は答えてくれる。


あぁ、だから産婦人科の医者は苦手だ。


赤ちゃんは病理検査にだす。
病理検査に出したら、今回の流産の原因って、分かるんですか?
と思わず聞いた。
流産と言うだけで、声が震え涙がこぼれだす。
医者はハッキリ、わかりません。と答える。
続けて、お母さんのせいではありませんよ。
自分を責めないでくださいね。
辛かったのに、本当によく頑張りましたね。

まさかの労いの言葉…
涙が止まらなくなる。
術後の痛みは全くなかった。
ただ、初めにお手洗いに行く時は看護婦さんを呼ぶ約束になっていた。
立ち上がった時、まさかの足の付け根に痛みが。
歩けないほどではないが、なんでこんなところ…不思議。

昼食を済ませ、テレビをみながら、3時の診察を待つ。
ベッドに横になったりぼんやりしたり。
いい天気だ…
気持ちも落ち着いてきた。
入院した夜、うとうとしていた時に夢を見た。
双子を妊娠している夢だった。
流産はよくあることだよ。
なんて、何の励ましにもならない。
自分の子供を亡くした。
その事実は変わらないのだし、よくあることで片付けられるほど、軽い事実ではない。
横になってぼんやりうとうとしていると、母がきた。

1人になりたかった…
なぜか、母には悲しみを言えなかった。
いまでもそれは疑問…


母はすぐに帰った。

それから私は横になり、ぼんやり過ごした。
部屋に戻り、
なんで赤ちゃんの心臓が止まってしまったのか、
声をあげて泣いた。

看護婦さんは優しく手を握っていてくれた。
意識が戻った時は、まだ手術室にいた。

手術が終わったことに気づいて、咄嗟に、
赤ちゃんを見せてください!と言った。

ジップロックに入った、手のひらくらいの、
塊をみせてくれた。

涙がこぼれた。

胎盤がどうの…説明してくれたみたいだが、またすぐに眠ってしまった。
手術室へ入るとじわじわ涙が出てきた。

怖い。本当に終わっちゃう…
怖い怖い怖い

両手両足を縛られる。

看護婦さんの手をぎゅっと握っていた。
痛み止め、麻酔が点滴から入れられていく。
意識が遠のいた。