ある小さな森に

ちいさなちいさな女の子がいました

その女の子は

一人ぽっちでした

女の子はいじわるで

わがままで

森のみんなを困らせてばかりいました

ある日

女の子が

森のきいちごを採っていると

どこからか歌声が聞こえてきました

~♪♪~

そこにはちいさなちいさな男の子が

帽子をかぶって

たっていました

女の子は男の子に

「あなた誰よ??

ここはあたしの森なんだから

はいってこないでよ」

といいました

「おなかが空いているんだ。

きみのきいちご、一つ食べてもいいかな?」

女の子は言いました

「いや!!

だってあたしのきいちごがなくなちゃうじゃない!!」

そして女の子は

あっかんべぇして

そのままお家に帰りました。

そして次の日も、女の子はまたきいちごを積みに森へ出掛けました

歩いている途中に

大きな落とし穴が・・・

どしん!!

女の子は穴に気付かず、落っこちてしまいました

「いたたた・・・・誰か・・・助けてー!!」

女の子は大声で叫んで助けを呼びました

でも

森のみんなは助けません

いつも女の子はみんなを困らせてばかりいるから

誰も女の子を助けたくないのです

お日様も沈んで

女の子はくらーい穴のなかで一人ぽっち

女の子は怖くて淋しくて悲しくて

泣き出してしまいました

そのとき

聞き覚えのある歌声が・・・

~♪♪~

昨日会った帽子をかぶった男の子がそこにたっていました

男の子は

泣いている女の子を引き上げて

泥をはらってあげました

女の子は聞きました。

「どうして助けてくれたの?」

男の子は答えました。

「人に親切にすると僕自身も幸せになれるんだよ。」

女の子は

そこで初めて

優しさと暖かさを感じました

それと同時に

涙がぽろぽろ

零れ落ちてきました

また

今まで感じたことのない感情・・・

感謝という感情が溢れてきました


「ありがとう」


二人は手をつないで

おうちに帰りました





おしまい