月山を越えて、日本海への旅。 | 黎蕣園

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おこんばんは。小さなドールとの暮らしの記録、『れいしゅんえん』です。

 おこんにつら。当基地の道の駅ツアー部は数年振りに山形県を横断し、月山(がっさん)を観光しつつ、日本海を望む鶴岡(つるおか)市の道の駅を目指すことに致しました。

 真夏のヤマガタン銀河巡りでございますから、道中で冷たいお菓子を頂いて一休みすることもあるでしょう。そう考えたわたくしは、『DD』誌16号所収のでこニキ用アイスショップ店員風セットアップを製作して備えました。デザインはカニホルさん。

 

 

 シャツとちょうちんパンツ、エプロンの3点。きっちりとストライプを揃えて仕上げられたので満足です。エプロン紐として指定されていたのは4ミリ幅リボンでしたが、3ミリと5ミリしか入手できなかったため後者で代用。

 ついでにおでこちゃん用サンバイザーのベルトを調整し、拙いながらフェルトでメロン、レモン、アイスっぽい何かを乗せて完成。カニホルさんによるアウトフィット本『DCR6』は、お人形に着せたくなるようなリアルとファンタジーのバランスが素晴らしい服が揃っているのでお薦めです。

 

 

 出発から2時間半、水の郷百選として認定されている西川町(にしかわまち)の道の駅『月山名水館』に到着しました。月山自然水の工場や県内唯一の地ビール『月山』の醸造所が併設されています。こちらの地ビールソフトにアルコール成分は含まれておりません。どなたも安心してお召し上がり下さい。ビール臭さは一切なく、ビールの心地良い香りが生きています。

 観光協会のイメージキャラクター、月山に住まう妖精のガッさんが大変可愛らしく、ピンバッジを購入致しました。全体が『月』、鼻から口に掛けて口が『山』という漢字をモチーフにし、四季に応じて装いが変化します。夏のガッさんは万年雪の残る帽子に緑の衣装、ウサギギクのブローチ。

 

 

 解説が遅れましたけれども、月山は県の中央に聳える1984メートルの火山です。7月でもスキーに興じることができるほどの豪雪に護られたこの山は古くから信仰の対象とされ、参拝や修行を目的として訪れる人々を、この地の住民は山の恵みたるキノコや山菜を用いた料理でもてなして来た歴史があります。

 山形の夏の御馳走、天然トビタケ(トンビマイタケ)に仰天。売り場のお兄さん曰く、この夏は巨大なトビタケが多数生育しているとのこと。

 

 

 繊細な扱いが求められる貴重なキノコを灼熱地獄となる車内に長時間積んではおけません(高価で手が出なかったとも言います)ので、加工済み山菜パックを選びました。

 山形ではどこへ行っても温かいおもてなし精神を感じるのですが、この町は連綿と受け継がれたオモテナシスピリットが極まっているらしく、お店のスタッフに次々と話し掛けられました。サツキを連れていたのでその繋がりで飼い猫ちゃんズの写真を見せて頂いたりとかね。楽しかったです。

 

 

 ダムを2箇所挟んで鶴岡市の道の駅、梵字川渓谷沿いの月山『月山あさひ博物村』。揺れる吊り橋の向こう、屋根のみが見える左側が道の駅、右はボルダリングがメインでカフェもある梵字の蔵。このお盆にボルダリングをするかたってどのくらいおられるのかしらと思いきや、お子さん連れの家族で大賑わいでした。

 この地域の伝統として、自生する山葡萄を原料としたワインが一種の薬として住民や修験者に愛飲されて参りました。しかし、昭和40年前半に入ると税務署が乗り込んで参りまして、大勢の村民がワイン密造の咎で摘発される事態に陥ったのです。

 

 

 そこで農協が合法的にワインを造って村の特産品にしよう計画を立ち上げ、7年もの歳月を費やして果実酒製造免許を取得し、以来試行錯誤を積み重ねて月山ワインが誕生するに至りました。公式サイトに記されたその辺りの歴史秘話は非常に面白いので是非ご一読下さい。

 あさひむら観光協会が繰り出すキャラクターはカタクリ姫。等身大パネルもございます。公式紹介ページはこちら。特技はスノボ、好きな食べ物はわらびたたき、カラオケの十八番は『Choo Choo TRAIN』と言うイマドキ女子(年齢非公開)です。メモ帳とシールを入手したので、周囲に配布して応援します。

 

 

 50キロ進みますと日本海が目に入ります。同じく鶴岡市の道の駅、あつみ『夕陽のまちしゃりん』。ヘリコプターによる遊覧飛行を行っておりました。同行した隊員に誘われたんですけろも、どうにもおっかなかったのでお断りしました。実は空を飛ぶ乗り物に乗った経験がないんです。こ、怖いから。

 カメラを手に入れる前ですから震災より前になるはずですが、前回ここを訪問した際は秋だったと思います。そうした事情で、記憶の中では静かな場所でした。近隣には海水浴場が多く、現在は観光シーズン真っ只中。15時を回っているにもかかわらず駐車場はほぼ満杯です。

 

 

 まさしく旬を迎えた岩牡蠣を焼く香りに包まれながら人の波を掻き分け、屋外バザールを眺め歩きます。おやつとして地物の海老唐揚げを食べることにしました。驚くほど殻が軟らかです。

 

 

 鶴岡市にはクラゲで有名な加茂水族館がございますね。道の駅から海岸沿いに30キロ北上した先にありますけれども、本日はそこまで行かずに途中で内陸に入ります。

 水族館でも扱っているお土産として、くらげこんにゃくなる製品を発見しました。山形名物、玉こんにゃくがクラゲへの憧れを昂じさせた余りクラゲの形になってしまったという物語が書き添えてございまして、何でも目鼻とストーリー付けりゃ飛び付くと思ったのか、そうだよ迷わずお買い上げさ! 今なら期間限定缶バッジが付いて来て可愛いったらありゃしねぇ! と力一杯宣伝致します。公式通販ページはこちら

 

 

 確定していたコースとしてはあつみまででした。道の駅スタンプ押印リミットに間に合いそうなので、更に進みます。40キロ先、隣接する三川町(みかわまち)へ参りましょう。

 初めて訪れた折にはラフスと読んでしまいましたが、ラコスです。たまご寒天(かき玉汁を固めたような外見)、あんかけ素麺など気になるお総菜が並んでおりました。このスーパーマーケットの左側が道の駅、庄内みかわ『いろり火の里』の物産館です。

 

 

 月山を彩る2つのダム、及びこの町に関しては次回記事にて埜崎が詳細に語る予定です。庄内地方南部が軒並み鶴岡に呑まれた中、小さな三川町が何故生き延びているのか。その真実は次回明らかになりそうで明かされません。ご了承下さい。

 そろそろ日も傾き、気温が下がって参りました。ズッキーニを始めとして夏野菜を買い込み、手作りちくわパン(ツナと納豆の2種。わたくしは納豆が不得手につきツナ一択)をもしもしと囓ります。美味しい。

 

 

 16キロ走りますと全国で初めて風力発電を導入した町、庄内(しょうない)の道の駅、しょうない『風車市場』があります。めんどくさい親子が意地を張り合うグルメ漫画にて絶賛された米の産地、余目(あまるめ)があるのはここです。町の観光ガイドブック表紙にも『日本一おいしいお米のふる里』と記されております。

 時刻が早ければ風車を眺めつつ自慢のお米を味わいたかったのですが、間もなく17時半。ランチは15時まで、喫茶コーナーも16時半で終了です。

 

 

 ミヤギスの南三陸町と友好町盟約を結んでいる関係で、同町の産品やオクトパス君が売り場中央に整列しています。遙々太平洋からコンニチハ。南三陸の道の駅を紹介したタコ満載の過去記事はこちら

 さて、左奥の壁際に鮮やかな緑の山を視認できますでしょうか。正体は河童のぬいぐるみの群れです。

 

 

 どういうことかと申しますと、入り口の脇に開運河童の太郎さん(蝶ネクタイ)と花子さん(貝殻の首飾り)が座っておられるのです。土地の古老が語るには、頭のお皿で天空の気を吸収し、開運パワーに変じて放出しているとの由。撫でるとその運気の欠片を授けて下さるそうなので、心を落ち着けて静かにさすりましょう。さすさす。

 以上、月山と庄内地方の道の駅をご紹介申し上げました。次回は無論、役場とダムです。煌びやかな道の駅観光と地味ロケは表裏一体にして記事もまた分離不可。それにしても夏休みの旅行レポがまだ1本たりとも書けてないのに、今週末はまた道の駅攻略らしいよ。さすがに新規衣装を用意するのは無理かも。それではまた次回お目に掛かりましょう。