灼熱の餅王国へ(前編)。 | 黎蕣園

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おこんばんは。小さなドールとの暮らしの記録、『れいしゅんえん』です。

 おこんにつら。残念紀行の称号を恣にして来た当園の日誌ですが、この前後編には『和装美少年とグルメと猫』という問答無用のときめき要素をぶち込み、ご来園の皆々様へのお中元に代えたい所存でございます。

 

 

 当園が擁する美少年双璧の1人、技師マイロが初のオリジナル衣装で外ロケへ臨む機会が到来しました。もう1人は王子シャルルです。りく社長も紛うかたなき美形男子ではございますけれども、4歳児を少年に分類するのは少々乱暴ではないでしょうか。

 

 

 今回の目的は、イワテール銀河南部に属する道の駅スタンプ蒐集でございます。まずは1年半振りにミヤギス銀河、気仙沼(けせんぬま)市本吉町(もとよしちょう)の道の駅、大谷(おおや)海岸『はまなすステーション』。

 目下、面する国道45号の嵩上げ工事が行われておりまして、3年後と予定される完了時には道の駅も内陸側へ移転する予定です。

 

 

 前回はここでお昼ご飯を頂きましたが、本日この時点での時刻は9時半です。おやつとして、あわびおにぎり(150円)を買って食べました。貝は柔らかく、ふっくらとしたお米には素材の旨味が行き渡っていて最高です。

 衣装は『ゆかたのDCR』所収、ruruko(ニーモXS)用から袖丈を1.5センチ、着丈を1センチ短くして製作しました。もうちょっと裾が短くても良かったかも。帽子は『小物のDCR』掲載の中折れ帽Mサイズ。帯とバッグは型紙なしで適当。

 

 

 大谷海岸より30キロ弱、一関(いちのせき)市に入ります。4月末にオープンして間もない道の駅、『霊峰室根山(むろねさん)』へ初訪問となりました。室根石と称される花崗岩の産地で、屋外には石のテーブルや椅子が展示販売されております。

 

 

 こちらは室根山8合目より神輿を担ぎ下ろす室根大祭をPRするみこシスターズ、シーちゃん(左)とミーコちゃん(右)。御神霊が祀られたのが閏年の翌年だったという史実を踏まえ、今なお旧暦の閏年の翌年に行われるというしきたりを遵守しています。

 故に、2ないし4年に1回となっておりますけれども、本年10月下旬の祭りは紀州本宮より御神霊を勧請して1300年となる節目を飾るということで、地元ではいつにも増して力を入れている様子が窺えます。

 

 

 県内で最も早く山開きがなされるはずですが、矢印の先の道は封鎖されておりました。この由緒ある霊山は地域で最も高い独立峰であり、周囲にはそこまで高い山が存在しないために大変遠くまで見渡せるそうでございます。

 近年新たに開館した道の駅はとにかく巨大で、豪奢でデザイン性の高い建物が多い印象でしたが、この山に囲まれた控えめな駅に用意された駐車場は32台分と極めて小規模です。しかし、岩手らしい落ち着きと温かみのある場所でした。そしてもう外気温は32度。

 

 

 暑さと湿気とで若干体調不良に陥りまして、室根からあげを食べられなかったのを残念に思いつつ、自販機で小さなメロンソーダを買い、体の冷却を図りました。そこから西へ18キロ、一関市川崎(かわさき)町へ。北上川沿いの道の駅、かわさき『川の灯(あかり)』に到着。

 すぐそばの北上大橋がとても美しく、おんもが灼熱地獄でなければ歩いて撮影に向かったはずですが、ちょっともうほんとにしんどさピークだったんでごめんなさい。こちらは産直品の販売コーナーです。

 

 

 外にはわたくしの上背を遙かに遙かに超える氾濫水位の記録がございます。この地は洪水を繰り返す北上川との戦いを制し、現在は肥沃な土地から豊富に採れる野菜の一大生産地となりました。

 ここの特徴として、北上川の恵みたる野菜類の充実度に加えて、加工品の数量が膨大である点が挙げられると思います。公式サイトに拠ると『県南随一の品揃えとボリューム』であると胸を張っておりまして、これは誇張ではないと思います。惣菜を眺めていると、片っ端から食べたくなりました。

 

 

 岩手日報で連載中の漫画、『イワさんとニッポちゃん』の缶バッジガチョガチョを発見したので1回トライ。土器とニッポちゃんの柄が出ました。沿岸の宮古市に生まれた野良猫イワさんと、盛岡の3世代家族と暮らすニッポちゃん。かわええ。

 これにて『和装美少年とグルメと猫』要素、コンプリートということで宜しいでしょうか。有難うございます。

 

 

 香り高いじゅうね(えごま)のはっとを頂きました。小麦粉を練って作ったすいとん的な生地に、各種のソースが掛かっている食品でございます。一関を中心として、県南エリアの人々は何かにつけて餅を食するほどに餅類を好んでいるということを覚えて頂けると幸いです。

 

 

 更に西へ25キロ、一関市厳美(げんび)町の道の駅、厳美渓『もちと湯の里』でございます。ここは言わば餅キングダムの首都でございまして、もちレストラン『ペッタンくん』では300種類を超える中から厳選された餅料理が待ち構えております。

 初めてのかたには季節の餅1種が加わった9種の味わいを楽しめる『和風餅セット』が推奨されております。以前はもちろんここでお餅を頂きましたが、今日は蒸し暑い上にまだお昼ご飯が食べられそうな感じでもないかな。あんまし食欲がないです。

 

 

 そうした時こそ餅の出番なのではないかと、静かに自販機の上から語り掛ける臼の妖精ペッタンくん。そうかもー。でも今は遠慮しておきます。これから厳美渓へ行ってお団子を食べますので、続きは後編にて。

 

 

 川崎の道の駅にて伊予柑チョコ味のビスコッティを見付けたので、ラヴィへのお土産として選んでみました。山形土産としてたくあんチョコを貰ったお礼です。

 同駅では『昔懐かしい、お袋の手作りの味をキーワードに、昭和20年代頃に食べた食材の再現に取り組んでいます』という志の元に様々な食品を販売していますけれども、こういったお洒落な菓子も多数揃っていました。パンにおいては5社が出店しているという多彩さで、和洋古今限らず本当に美味しい物を地元の食材で作って届けようという意気込みが伝わって来て感銘を受けた次第です。

 短いW杯記事を挟んで次回は後編、厳美渓散策の模様をお届けする予定でおります。それではまた次回。ご機嫌よう。