ゲネプロです。
…の前に、昨日の続きの場当たりから始まりました。
ラストの2シーンを残していましたが、ここは転換が多いので時間をかけて何度も稽古しました。
いつも思いますが、照明プランナー・磯野さんの照明は、本当に美しいです。
小さなどら焼き屋のお話なので、お店のセットは小さめ。広い舞台では上にもたくさんの空間がありますが、照明でその空間がなんとも美しく彩られているのです。
ラストシーンはホントにきれいですよ。
川崎の劇場まで、戸井くんの車に乗せてもらって劇場入りしたChikaです。
戸井くんとは歩いても10分くらいのご近所です。朝の約1時間、戸井くんといろんなおしゃべりをして楽しい時間でした。送ってくださってありがとうございました❤️
さて、本日の日記は…衣裳プランナーの髙木 渚さんです。
先日から「なぎちゃん、日記書いて~」とお願いしていたのですが、昨日「明日なら書けるよ~」と言ってくださいました。ありがとう
衣裳に対する熱い思いを書いてくださいましたよ!
「長くなっちゃったから、前後編に分けて載せてね」
と、2つに分けて送ってくださったのですが…この素敵なお話は一気に読んでいただきたいので全て載せちゃいます。
舞台衣裳にはどんな意味があるのか、渚さんはどんな思いで衣裳のプランを立てているのか…
滅多に聞けない貴重なお話です。
衣裳プランナーの髙木渚です。
せっかくなので衣裳について書きます。
普段私たちが何も思わず服を選んでいる様に、舞台上の服装なんてサラッと見て頂くだけで充分なのですが、
少し裏話を。
実は衣裳という物は奥が深くて、
1人ずつの役の生き様を表す、重要な要素となっています。
故に、実は全ての役の、一つ一つの衣裳に意味があり、裏の設定があります。
この人はこの服をいつから着ているのか?
そんな衣裳的視点を持って観ると、
お芝居も映画も少し違って見えて、面白いですよ。
『あん』にも
色んな人物が登場します。
是非、衣裳の「深読み」をしてみて下さい!
さて、今回の『あん』の衣裳についてです。
語ればきりがないですが。
一つ一つの衣裳や小物に思いが詰まっています。
初演の際に手作りしたバッグ、再演のために新規でデザインして、仕立てて頂いた服。
(さて、どれでしょう?)
それと、自分自身の思い入れがある物をたくさん使っています。
例えば、祖母の手編みのカーディガンと帽子といつも着ていたブラウス、自分の制服、友人の祖母から譲り受けた羽織など。反物問屋だった祖母の親友の屋号入りの手拭いなんかも登場します。まだあります。
(今これを書きながら改めて驚いています)
衣裳合わせの際には、たくさんの候補品が並びましたが、その中でも最終的にこれらが選ばれ、私にとって『あん』は最も大切な作品の一つとなりました。
今回の作品の衣裳的な見どころは、
終盤のシーンです。
『主人公の叶わなかった夢を、衣裳で叶えたい。』
その一心でしたが。
今日の場当たりを観て思わず涙がこぼれました。
劇中の話だけではなく、
作品のモデルとなった実在する方々、
思いを同じくされた方々のついえた夢が、
今ここに形になって実現したのかもしれない、と感じられたのです。
演劇はフィクションですが、
こうして誰かの叶わなかった思いを、
現在進行形の現実として、
形にして実現させてくれる事も
あるのですね。
自分が作る側の人間であるはずなのに、
自分の想定していた以上の、
作品の力と、演劇の力に魅了されてしまった、今日でした。
最後は衣裳ではなく、演劇のお話になってしまいました。
これから観て下さるお客様、
どうかどうか、この『あん』をお楽しみに、待っていてください。
いつか消えてしまった誰かの夢が
叶う瞬間に、
皆様に立ち会って頂ければ嬉しいです。
ではまた。
ありがとうございました。
素敵なお話…!
衣裳を決めていくとき、私たち俳優はプランナーが提案(用意)してくれた衣裳を身に付け、自分の役作りと照らし合わせます。
時には「今回はこういう役作りをしているので、こういうイメージの衣裳がいい」とこちらの思いを伝えたり、
プランナーから「この役はこう生きている人だから、このイメージでいきましょう」と、演出家を交えながら話し合って決めていきます。
でも、役者の思いを汲んでくれて、色々考えてくださる渚さんの提案してくれる衣裳を着てみると、
あら不思議!
自分が考えていたイメージを超えて、役が膨らんでいくのです。
私にとって衣裳は、役作りをしていく上でとても重要な要素です。
渚さんは、それを力強くバックアップしてくれるプランナーさんです。
そんな衣裳を着て、ゲネプロをしました。
これから行く鑑賞会の方々が、たくさん観にいらしてくださいました。
(写真、撮り忘れ…💦)
浜松から来てくださった、大好きな鑑賞会の方にもお会いすることができて嬉しかったです!
客席には劇団員やサポーターさんたちを含め、60人近くの観客がいたので…『本番通りの稽古』とはいえ『本番』を迎えた感じでした。
鑑賞会の皆さんは、ご覧になってどうでしたか?
これから、静岡県ブロック、神奈川ブロック、関越ブロックへと旅立ちますが…どの芝居でもそうであるように、日々、変化していくと思います。
楽しみに待っていてください❤️
初演のアトリエの時は出演していた、劇団の父が久々に顔を見せてくれましたよ。元気そうでなによりでした。
先日稽古場でご紹介した和彌のお仕事。舞台に来たらこんな感じ。