※前置きが長くなったので、分解修理方法だけで良い方はスクロール推奨
皆さんはRICOH GRというカメラをご存知だろうか?
RICOHといえばコピー機の会社である。過去には膨大な販売店の数から「販売のRICOH」などと呼ばれていたらしい。現在でも複合機業界ではトップシェアを誇り、Canonと肩を並べる企業である。しかし、実はカメラも作っているということは、カメラ好きな人や、カメラについて調べたことがある人以外の一般の方々には意外と知られていないのではないか。いや、最近は360度カメラによって知名度は上がっているかもしれない。
すでに作っていない過去のもので意外と感じたものはフォントである。Windows標準フォントであり、一般に広く使用されているMS明朝体やMSゴシック体は、実はRICOHが作ったものだ。これはRICOH通だと思っている私も驚いた。
そんなRICOH作っているコンパクトデジタルカメラであるGRシリーズだが、フィルム時代から姿形をほぼ変えずにこだわりを持って作られてきたカメラである。根強いファンが多く、新作が出るたびに買い換えるという猛者もいるようだ。私は年齢的にもデジタル時代からのファンだが、これまでにGR digital、GR digital3、GR2と買い繋いで行き、現在GR3を所有している。
APS-Cサイズのセンサーを搭載しており、コンデジとは思えない高画質を誇る1台だが、GR3には難点がある。
背面の十字キーダイヤルの接触不良だ。設定がカスタムできるので人によって使い方は変わると思うが、主にISO感度設定や、MFのピント合わせに使用されることが多いと思う。
そのダイヤルで接触不良が起こり、うまく調整できないという問題が頻発している。
マイGR3では、上方向(時計回り)にはスムーズに動くが、下方向(反時計回り)に動かすと、チャタリングしたスイッチのように調整が効かなくなる。
ネットで調べると結構出ているようだが、皆さん修理に出して1〜2万はかかっている様子。
貧乏性の私にこの金額は辛い。
幸い保証期間も過ぎていることだ。分解して修理するしかない。
単純な分解修理だけでブログに残すことは今までなかったのだが、このGR3、ネットを調べても分解情報が少なく、自力で開けるしかないのである。
前置きが長くなったが、GR3の分解方法とダイヤル接点不良の修理記録として残しておく。
――――本題―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■使用したもの
精密ドライバー
接点復活剤(KURE 接点復活スプレー)
キッチンペーパー
■作業前に
・バッテリー、SDカードは抜いておく
・ネジはサイズ違いがあるので注意
・保証効かないので自己責任で
■外装取り外し
上蓋→背面パネルの順に取り外す。
上蓋はネジ7本
まずは見えている範囲で2本
右側面上に1つ 背面、左上のストラップホール奥に1つ
ホットシューBKT周辺に5本
BKTは精密ドライバーマイナスなどで以下のように奥側を持ちあげて手前にスライドして取り外す。
BKT裏に4本、手前に1本
ネジが外れたら上蓋を引き抜く
※ホットシューからフレキがつながっているので注意
次に背面パネルの取り外し
こちらはネジ4本
見えている範囲で3本
左側面下の背面側に1本 底面の背面側に2本
目隠しで1本
右側面上、ラバーグリップ裏(こちらは全面側)で1本
ネジが取れたら背面パネルが開ける。
※フレキ1本、アース線1本つながっているので注意
フレキとアース線を外して背面パネルを本体から分離させる
フレキは補強板持って上に引き抜く。アース線はネジ緩めて横に引き抜く
■操作系、十字キーダイヤルへのアクセス
背面パネルについたフレキを外す
黄色〇部、ロックを起こして引き抜く ×2
操作系固定ネジを外す(6本)
背面パネルから操作系を引き抜く
■接点復活剤塗布(写真撮り忘れ)
ダイヤルとフレキの隙間に接点復活スプレーを吹き付ける。
下にウエスやキッチンペーパー等を敷いておくのが良い。
そのままダイヤルをぐりぐり回して全体に行き渡らせたら、余分な接点復活剤をふき取っておく。
■組みなおし
逆の手順で組みなおす。
アース線を挟み込まないように注意。
■結論
接点復活剤最強説。速攻復活した。
が、ダイヤルの隙間から表面に復活剤が出てくるので組みなおした後もぐりぐりしながらふき取ると良い。