「第107回 粟谷能の会」の2番目『石橋(しゃっきょう)』連獅子をご紹介いたします。
寂昭法師(ワキ)が清涼山の石橋を渡ろうとすると、童子(前シテ)が現れ、神仏の加護がなければ渡れないと制止します。そして、橋の向こうは文珠菩薩の浄土で、やがて奇瑞が表れるから、しばらくここで待つようにと告げると姿を消します。
(中入)
続いて仙人(アイ)が現れ獅子の舞楽が始まる予告をすると、文珠菩薩の使者である獅子(後シテ・シテ連)が親子で現れ、石橋の上で咲き乱れる牡丹の花に戯れ、勇壮な舞を見せ、泰平の御代をめでて獅子の座に帰ります。
昨今は後場のみの半能形式で演じられる事が多いのですが、今回は前場もある本能で、演能時間は1時間15分ほどとなります。
喜多流では、通常の前場のシテは老人の樵ですが、替えとして童子の演出もあります。今回は初番が『景清』で老人のため、童子で勤めます。
やはり『石橋』の見どころは、後場の勇壮、豪華な躍動美溢れるの獅子舞です。単に暴れる荒さを消し、端正な姿勢と俊敏な動きにて獅子を演じるのが演者の心得です。
 
今回、能楽師の家の子ではなく、能楽師の道を志し、長年、私の元で修業し職分となりました佐藤陽に子獅子を披かさせることにいたしました。
お目だるいこととは存じますが、どうぞご鑑賞いただきたく、ご案内申し上げます。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。