先日、インタビューに答えるために書きとめていたメモです。
最近の自己紹介のつもりで、公開することにしました。
私、今年で67歳なんですよ。
あっという間に66年が過ぎてしまいました。
今は80〜90代迄お元気でご長寿の方が多い世の中ですが、私はどうでしょうかね?
自分の最期は判りませんから、残り時間を強く意識して、時間を大事に自分の好きなように生きたいですよ。
私の生業(なりわい)は能楽師、舞台人です。
家業を継いだのは、周りが上手く操作したようで、上手くハメラタんでしょうね。
まあ正直なところ、他に出来ることもなく、人前で芸を披露する能楽師が嫌いでもなかったので、この歳まで続けています。
 
私、能楽師の中でも、シテ方能楽師という主人公を演じるポジションで、これも運がよかったのかもしれません。
シテ方は配役から始まり、舞台作り、面・装束(衣装)も自分の解釈で、自分の好みで選べるのが楽しく面白いです。
もっとも若い時は、未熟ですから他人任せですよ・・・。
兎に角、周りの方々の温かなお気持ちのお陰と感謝しています。
 
どこの世界も同じでしょうが、いろいろ邪魔をされたり、嫌がらせもあり、私も多少はありましたが、やはり父親の力でしょうか、好き勝手に能を楽しめる環境にいれたことは、とても幸せです。
 
能はガッチリ、形に嵌めるように作られていますが、どうしても演じる時は、形の内側に力を落としこもうとします。最初はそれで良いのですが、最近は形の枠内のギリギリ外へと表現したい、と思っています。
勿論これは精神論ですよ。ここを勘違いしてギリギリが表面に表れると、はじけてしまい顰蹙もんですよ。
能役者の身体の中で「これでいいのかな?」「やりすぎかな?」
と、悩むぐらいが、今の私には適当かなあ、と思っています。 
何事も良いさじ加減が大事で、これは経験の積み重ね、加齢しないと体得出来ませんね(笑)
はちゃめちゃに、能を楽しめる人生を送らせて、いただいておりますよ。