桜の精と言えば、若く美しい女性を連想したいものですが、皮肉なことに能『西行桜』の桜の精は、男の老人です。
桜はパッと咲いて散ってしまうので、その華やかさ、美しさに目と心を奪われてしまいますが、実は綺麗な花を支えているのは幹です。そしてその色は黒っぽいです。
故観世寿夫先生の最後の舞台は確か『西行桜』だったと思いますが、黒色っぽい狩衣を着られた、と聞いています。正に幹をイメージされていたのではないでしょうか?
明日は茶色の狩衣を着ますが、それでも、私の心は桜の幹に成りきろう、と思っています。
ご来場の皆様には、私の身体が黒色の桜の幹!と想像してご鑑賞いただけると、嬉しいです。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。