4月24日(日)喜多流自主公演にて『西行桜』を勤めます。
『西行桜』ご鑑賞にお役に立てれば、と思い物語をご案内いたします。
 
都の西山に住む西行法師(ワキ)の庵(現・勝持寺)には美しい桜(枝垂れ桜)があり、毎年美しく咲く事が評判となり大勢の花見客が訪れ、にぎわいを見せるようになり ました。
静かに隠遁生活を送りたい西行は世俗の騒がしい花見客をあまり快く思っていなかったので、従者(アイ)に庵での花見を禁止する旨を周知するよう命じます。
しかし、禁止令を知らない都の花見客(ワキツレ)は、今日も友を誘って大勢で訪 れ、当然のように案内を乞います。
西行は無下に断れず、花見客を庭に招き入れますが、静かな環境を破られた思いを
「花見にと、群れつつ人の来るのみぞ、あたら桜の科(とが)にはありける」
(花見を楽しもうと人が群れ集まるのは桜の罪だ)
と、歌を詠み、花見客と一緒に桜の木蔭で眠りにつきます。
(鑑賞案内)
能『西行桜』では、ここで花見客を切戸口から退場させ、西行と老木の桜の精 (シテ)の二者に焦点を当て二人の問答で物語を展開します。
さて眠りについた西行の夢の中に老人が現れ
「非情無心の草木の花に浮世の科はあらじ」
(草木には心が無いのだから、花に罪はない!)
と、西行の詠歌に異議を唱えます。
 
直ぐに西行は納得し、老人に正体を尋ねると、老人は老木の桜の精であることを 明かします。
老木の桜の精は、桜(自分)に罪のないことを知らせたく現れますが、実は西行と 知り合えたことを喜び、都の花の名所を数々紹介します。
やがて春の夜の時の流れの早さを惜しみ舞を舞いますが、春の夜が明け初める と、桜の精の姿は静かに、跡形もなく消え、西行の夢はそこで覚めるのでした。
 
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粟谷明生事務所
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