大阪大学喜多流能楽研究会の機関誌「邯鄲」2019年3月 復刻第2号に寄稿いたしましたので、記録としてここに投稿しておきます。






阪大喜多会の歴史を思う

粟谷明生

阪大喜多会(大阪大学喜多流能楽研究会)は昭和42年から今日まで、長い歴史を持つ伝統ある部です。一時は廃部の危機もありましたが、不思議とその時には能楽に興味ある学生さんが現れ、危機を救ってくれました。52年間途絶えることなく継続され、今私が現役の学生さんに能楽指導が出来る事は、とても幸せです。長年指導にあたった亡父菊生と、在籍して下さった部員の皆様のお力の賜物と感謝、御礼を申し上げます。

今更ながらですが、「継続の大切さ」を阪大喜多会から感じ学んでいます。継続の力とはそこに集う人間が創り出すものです。しかも一人では限界があり多くの人によって作られていくものです。そしてまた、常に新しい人が加わらなければならず、そうでなければ、長年培った歴史ある大木も枯木になってしまう恐れがあります。大木を枯れさせないために、常に新しい力、つまり人(学生)が必要です。が、もっと大きな視野で喜多流の能楽を継続させることを考えると、それは阪大喜多会に在籍された方々の能楽への復帰力が是非とも必要なのです。

平成が終わり、新しい年号を迎える今年こそ、阪大喜多会のOB・OGの方々と現役の学生さんが力を結集する時です。私たち能楽師と共に、一人ひとりが能楽の継承者になっていただきたい、それが、私と亡父菊生の願いでもあるのです。