能楽は、昔からの教えを今に伝承していますが、その教えは古臭いもののように思われがちですが、実はそうではなく、その時代その時代に似合ったものを、その時の人々により変化させ継承されています。

この度勤める能『木賊』は、江戸時代の伝書には

「肩上げした水衣の袖を物着にて下ろす」

と、だけ記載されていますが、近年は掛素袍や子方長絹などを着用する演出が主流となり、これは近年の先人たちの良き工夫であると賞賛に値する、と思っています。

能楽師は常に、今、生きている時代、そして自身に似合うスタイルの演能を心掛けるべきである、と生意気を申しますが、信じています。

今回の『木賊』は、前場の物着の前までは、以前ように、どしっりと重く、ゆっくり謡って曲目の位を出すのでなく、思いは深いながらも、語っている内容が、さほど重い訳でもないので、軽くサラリと進行したい、と思っています。

但し、後場の小結烏帽子を頭に載せ少しお酒が入った松若の父は、かなりヒステリックな自己中の老いた父親として、じっくりと時間をかけて演じたい、と思っています。


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