
私は少々せっかちで、あまり気が長い方ではない。
3月4日 粟谷能の会の『卒都婆小町』の演能時間は、たぶん1時間50分位と長いが村瀬和子氏の書かれたあらすじが、とても短く上手くまとまっていたので、ここでご紹介しよう。
高野山の僧が、卒塔婆に腰を下ろす乞食の老婆を咎めると、老婆は
「仏も衆生(人間)も隔てなし!」
と僧を論破し揶揄します。
「小野小町の成れの果て」
と名乗る老女に深草少将の霊が憑き、百夜通いの有様を再現します。以上
平安時代初期の女流歌人、小野小町は相当な絶世の美女だったらしい。
どのようなお顔だったのだろうか? と、せっかち者は気になる。
小町はたくさんの男性から求愛され、楽しい時を過ごしたようだが、もし突然醜女で汚らしい女になったらどうなるのだろうか?と稽古しながら想像してしまう。
宮中の華やかな生活を送り、多くの男性からチヤホヤされてきた小町だが、宮中を去らねばならぬ時が来る。
不自由のない生活から生活環境が変わり、遂には物乞いするまでに落ちぶれる小町。

長生き、の加齢は華麗さを取り崩していく。
♪ 「嬉しからざる月日、身に積もって」
のシテ謡は強い気持ちで謡いたい。
落ちぶれ、乞食をしながらも昔を引きづっている百歳の小町。
かわいそうですね、哀れですね、それだけではない老女の有様を描いているのが能『卒都婆小町』ではないだろうか?と稽古を重ねて思えて来た。
これから当日まで、演者の立場から『卒都婆小町』をご紹介して、ご鑑賞いただく方々のお役に立てば、更新する・・・、予定、つもり。
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文責 粟谷明生