聖堂と回廊の参拝を済ませてまた、中庭のような正面玄関口の小広場のようなところまで戻ります。
 この教会にはもう一つサン・シルヴェストロの祈祷堂と云うものがあって、玄関向かって右手、写真の右手の重たい扉を開けて入ります。
 この教会は、案内係りや管理人のような人気が全くありません。扉を入ると窓のない小ホールのような狭い部屋があって、切符売り場のような小さな箱状の壁開口が腰の高さにあります。ここで案内を乞うのだとは入れ違いさますれ違った人が身振りで教えてくれました。たしか記憶ではブザーのようなものを押して、――釣り紐を引いたのだったかな?――遠くで人の気配がして、小さな開口から修道尼さんの指先だけが現れて所定の金額を払います。参観料と云うのではなく、喜捨と云う形だったと思います。まるでスタンダールかヘンリー・ジェイムズの世界に迷い込んだようで、どきどきします。修道尼に面会をするときはこうしてお会いするのかな、と思ってまるで小説の中の人物になったつもりです。
 祈祷堂の室内は狭く、穿たれた壁の小さな窓からほのかな光が射していて、それが床のモザイクを鈍く光らせ荘厳な雰囲気です。
 保存状態の良いフレスコ画は13世紀のものだと聴きました。聖人の生涯を描いたものなどとありました。聖シルヴェストロと云う人は法王さまの名前にあったように思いますが、初めて聞く聖人のお名前です。

 


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