毎日おなじ窓辺から同じ方向の東の空に明け染めていくローマの神秘的な朝焼け。
毎日屋上から見おろしたサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂前の広場とオベリスク、街角が目覚め始める。
メルラーナ通りを南へ少し歩く。今日はサン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂に行こうと思う。歩いて行ってもしれているのだが、時間を節約するためにひと区間ではあるが、地下鉄を利用する。
サン・ジョバンニ駅で降りて階段を登るとそこは同名の古代の門が控えている。
アーチ門を潜ると、サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ広場のオベリスクと大聖堂を控えた広大な広場が出現する。
ラテラーノの名前は歴史書でも何度か聞いたことがあるが、その宗教会議の内容は分からない。ラテラーノ条約と云うのもあるが、それはヴァチカンとムッソリーニの間に取り交わされた、悪名高い条約の名前である。
サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂はコンスタンティヌス大帝より寄贈された土地に建てられた最初の司教座教会であり、法王のための直接の礼拝堂をもつ教会であり、歴史的にもアヴィニョンの捕囚までは最も格式の高い教会であった。捕囚の時期を通じて荒れ果て、その後サン・ピエトロが壮大に創建されるの及んでその名前の前に隠れたが、カソリック内部では未だに第一座の教会の権威を保持してあると云う。
法王専用の祭壇には、聖ペテロと聖パウロの頭部が納められていると云う。
聖堂に隣接して広大な回廊が展開する。折からの春三月のローマの日差しが投げかける影の連なりが気が遠くなるほど懐かしい。
こうして長大にして広大な回廊に描かれた影の柱列をひとり踏んでを歩いていると、時を忘れて恍惚となる。
回廊に面して小さな小さな、籠り場所のような礼拝堂があったので入って見る。
可愛らしい聖なる部屋にはビザンティン風のモザイク画が。
なぜか世紀末のクリムトを思わせるデザインに出会いました。