「お父さんが亡くなりました。いま親戚がこちらに向かっています。あまりお金がないのですが、葬儀をしてもらえますか?」
忘れもしません。2年前の冬・・・夕方5時頃に入った電話でした。
声の主は あどけなく 聞いた瞬間に・・・中学生の男子と判断しました。
念のために連絡先を聞くと、自宅には電話がないらしく、本人の携帯電話を聞きました。
「自宅に電話がない・・・」 一瞬?に思ったりしたのですが、携帯全盛の昨今 別に珍しくもなく、深く考えずに指定された場所であるアパートに向かいました。
そして到着・・・2階にあがり表札を確認すると 2部屋ある両方に名前が出ていませんし、号数も記載してありません。
(これは 二つに一つと言うけれど、間違うと大変だから・・・)
私は再度下におり 両方の家を確認しました。
すると両方とも電気が灯っています。
(よし・・・先ほどの携帯に電話してみよう)
私はメモを取り出し携帯にかけてみました。
すると 数回かけても電源が入っていない状態です。
(アレッ・・・これはひょっとして・・・やられたのか)と一瞬思いましたが、もし亡くなられているのが事実であれば大変なことになると思い、意を決して訪問してみました。
最初に階段を上り 左側のお宅の前に立ち・・・呼び鈴を鳴らすと、小学生の女の子がドアを開け出てきました。
「お父さんかお母さん おられる?」と聞くと、まだ帰宅していないと答えました。
(この家は違うな・・・)と思い 「ごめんね・・・」と、もう片方の家の呼び鈴を鳴らしました。
今度は女性が出てこられました。
「Aさんのお宅でしょうか?」と聞くと、「ハイ・・・そうですが」と答えられたのですが、何かに怯えておられる気配を感じました。
「私は葬儀社です。」
そう語ると 彼女は・・・顔面が蒼白になり、手を震わされました。
私はその瞬間・・・
「これはイタズラですね。何か最近あったでしょう?」と聞きました。
すると彼女は語り始めました。
彼女のご主人が、近所で学生を怒鳴りつけ、そのとき大口論に発展したようです。
その後に嫌がらせは始まり、深夜にタクシーが配車されたり、頼んでもいないピザが大量に配達されるなどの出来事が起こったそうです。
そして葬儀社が現れる・・・
弊社の前に もう一社が訪問していたそうです。
私は過去と同じく 警察に通報し被害届を出すよう促しました。
しかし彼女は 小さな子供に危害が加わることを恐れていました。
私は 気持ちはわかるが、放っておくと嫌がらせはエスカレートするので、主人とよく相談し 早めに対策を講じたほうがよいと言いました。
しかし学生が葬儀屋を利用してまで 悪戯を行うとは・・・
私は次に同じことがあればと・・・独自の対策を講じています。
皆さん・・・いくら対人関係で嫌なことがあったとしても
決して真似はしないでください。
ナゼなら・・・人間社会 必ずしたことは帰ってきますから。
これは本当のことです。
明日はその実例をお話します。
今日もお付き合い・・・ありがとうございました。