両親が老健と病院と別々にいた時、老健から特養に移る父を病院に連れて行きました。久々に面会しても、素っ気ない。特に母の方が。

同じ老健にいた時、喋れない母は、大きな声で父に向かって叫び、父は回りに気遣い、口に人差し指を当てて、シーっという格好をし、それを見てまた怒ると言う状況でした。

母が特に素っ気なかったのは、こういうことがあったからだと思い、母が父の入っている特養が受け入れてくれると決まった時に、別々のユニットにしてもらいました。母が不自由な身体で、父の面倒を見なければ、と焦るのではないかとの不安もありました。

それで、1週間に1度か2週間に1度、私が父のところに母を連れて行くことにしました。また、家族が一緒の時にも、会わせました。

つい最近まで、母はちょっと父の方を見るだけでした。

それが、母がもう駄目だとなってから、なるべく会わせてやってくれと特養にお願いしたら、毎日父を母の部屋に連れて来てくれます。

父は、背中が痛いので、そんなに長くはありませんが、それでも30分−1時間半くらいいるそうです。

私は、家にシャワーを浴びに帰っているか、気を利かせて席を外すか、寝ています。とにかく父は口数が少なく、同席すると苦痛なんです。

今日は、2人で会うのを見ていたら、それまで私のことなんか誰?と言う感じで見ていたのに、父だと分かったみたいで、ズーッと見つめ合っていたと思います。まあ、途中で寝てしまいました、というか、目をつむっても寝られませんでしたが。

「医者に見てもらわなきゃ」とか言ってます。父には、母はもうだめだと言ってありますが、忘れたようです。それでも30分以上、母は苦しそうな吐息も聞こえず、互いに見つめ合っていたのではないかと思います。やはり、夫婦なんですね。私は、たぬき寝入りを決め込んでいました。