母のユニットは、10人いますが、男1人にあとは女です。どこのユニット、施設も女が多いですね。長生きするのは女が多いですからね。

ご飯の母の席の前に、1人のおばあさんがいます。何も喋らないんですが、ある時、母が飲み込めないので、食べ物を残していたら、手を伸ばして来て、小皿1つを持って行きました。中身を自分の皿に入れてました。

食べられる人は羨ましい、と黙っていました。母はどうせ食べないんですから。介護士も、自分で食べられない人の介助などで、目が届きません。

前の人のもう1人は、いつも眠っているようです。介護士が「眠らないで下さい」「口を開けて下さい。もっと大きく」などと言ってます。すると、どこからか「口開いてます」と言う声がします。誰が言ってるのかと思ったら、本人なんたです。目をふさいで言ってるんです。口をあまり開けないのに、明瞭な発音です。滑舌の悪い自分としては、どうやったら、あまり口を動かさずに明瞭に喋れるのか、教えてもらいたいと思いました。

食事は5時から5時半にかけて始まりますが、この人は「ご飯が早いです」と言います。介護士が「じゃあ、何時がいいんですか」と聞くと、「7時です」と答えたりしています。

右のテーブルには、自分で食べられる人2人と、これまた眠っている人1人が座っています。自分で食べられる2人がなんやら話してます。

「悪いわよ」
「いいから、いいから」
そう言って、眠っている人のお膳を真ん中にして、前後に自分たちのお膳を置き、押し合いへしあいして、キャッキャウフフと騒いでました。

こういう光景に、思わず笑っちゃいました。

母の夕飯時の介助をやめたので、もう見られません。