金山が指さした先、美代子の背後には、玄関の門に取り付け、なかなかはずれなかった猫道の看板が、壁に立てかけてあった。それを見て、金山は驚いたようだ。

「ミ、美代子、おまえ、その看板、誰かに取ってもらったのか」

「え、なに」

私は看板を指さした。
「ああ、これ。誰にも手伝ってもらっていないわよ」

「ドライバーがあったのか」

「そんなものないわよ」 

「ど、ど、ど、どうやって外したんだ」 

「どうもしないわ。手で外したのよ」 

それを聞いて、金山ら3人はわーっと大声を上げた。