2年たっても目標インフレ率2%を達成できず、それでもマイナス金利にして緩和政策を取っている日銀だが、もう金融政策は失敗したと認めたほうがいい。

失敗の原因は、国民の心理を読むきれなかったことだ。すなわち、経済心理学の考察を欠いていた。

正直、ゼロ金利政策には、賛意を示した。しかし、マイナス金利となると、経済の実態を意図的にねじ曲げるものとして、あまり賛成はできなかった。

今もって効果がないのは、①企業が需要が出たとしても、一時的なものであり、長期に渡るものとは考えていない②高年齢層は、いつまで自分が生きるか分からない、ずっと生きる可能性もあるので、貯えを使えない③若い世代は、将来公的年金だけでは足りず、それさえ減る恐れがあるため、給与を貯えに回す④株式などの市場は、投機筋が一定の段階で売りに出るため、一方的にあがることはなく、大きな儲けは期待できないーということで、どんなに資金が供給されようと、需要につながらない。

ちょっと上昇しているのは、土地くらいであるが、これもいずれ頭打ちになろう。

そろそろ為政者もデフレを甘受する気持ちになったほうがいいのかも知れない。